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    機能性表示食品

    「機能性表示食品」スタート…トクホと誤認に注意

     企業が科学的根拠を届け出れば健康への効果を表示できる「機能性表示食品」制度が4月から始まり、消費者庁は受理した商品を順次、公表している。国が有効性と安全性を審査する特定保健用食品(トクホ)と比べてハードルが低く、商品化が活発になるとみられる一方、消費者からは安全性を懸念する声も上がっている。

     機能性表示食品とは、商品パッケージに「おなかの調子を整える」「内臓脂肪を減らす」など具体的な体の部位を挙げて健康効果を表示できる。企業が販売の60日前までに科学的根拠を示した研究論文などを添えて同庁に届け出る。4月下旬までに100件以上の届け出があり、サプリメントなど11点が受理された。同庁はホームページに詳細な届け出内容を公開している。

     これまで機能性を表示できる食品はトクホと、サプリメントなどの「栄養機能食品」の2種類だけだった。トクホは企業の臨床試験に多額の資金が必要なうえ、国への申請から審査、販売許可が下りるまでに2年程度かかり、商品化が限られていた。

     安倍政権の成長戦略の一環として、新たな表示制度が設けられたことで、調査会社「シード・プランニング」(東京)の奥山裕子主任研究員は「中小も含め、多くの企業が健康食品市場へ参入するだろう」と話す。

     しかし、表現内容が運用指針である程度は定められているものの、あくまで企業の自己責任で、国が「お墨付き」を与えるわけではない。主婦連合会(同)は4月中旬、「国は健康被害のリスクを全面的に消費者に負わせている」と主張し、消費者庁に対して、情報収集体制の整備と公表、商品の表現の工夫などを求める意見書を提出した。

     また、同庁が受理したリコムの「蹴脂粒(しゅうしりゅう)」について、トクホの審査過程で安全性が確認できていない成分が使われていることが判明。同社は「人による試験で安全性は確認している。トクホとは別制度」とするが、同庁は「トクホの審査結果しだいで、届け出の撤回もありうる」と、早くも問題が浮上している。

     国立健康・栄養研究所(同)の梅垣敬三情報センター長は「機能性表示食品とトクホは、効果を示す文言が酷似しているが、裏付けるデータに違いがあり、消費者は誤認しないよう商品を選ぶ必要がある。過度に期待せず、生活習慣改善の動機付け程度に利用するべきだ」と話している。(妻鹿国和)

    2015年05月01日 15時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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