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    老後破産

    独立したら85歳で1600万円借金?!…「老後破産」の現実(6)

    ファイナンシャルプランナー 村井英一

     すまじきものは宮仕え――会社員なら一度は独立開業を夢見るだろう。しかし、定収と引き換えにぐっと我慢の人がほとんどでは。ならば、会社員時代と同じくらい稼げれば大丈夫? いや、見極めを誤まれば老後破産の危機が迫る。
     「老後破産の現実」シリーズ、畠中雅子さんによる「 『貯金2700万円』でも危ない… 」「 3500万円が底をつく『死角』… 」、村井英一さんによる「 3000万円も不足? インフレの恐怖… 」「 退職金が半分に!?… 」「 『40代で子宝』夫婦の誤算… 」に続き、サラリーマンの独立開業のリスクを村井さんが解説する。

    「会社を辞めて独立開業」の夢

     相談に訪れたAさんは35歳の男性。現在は会社員だが、近いうちに独立してフリーランスとして働きたいと考えているという。事業の将来性や資金調達の見通しなどを考えると今はちょうどいい時期で、独立起業のタイミングは逃したくない。その一方で、子どもが生まれたばかりで喜びと共に将来の不安もややあり、将来の家計状況がどうなるか診断してほしいとの依頼だった。

     独立した後、家計がどうなるかは事業の状況が大きなカギを握る。事業が軌道に乗り、収入が増えていけば家計は安泰だし、さらに成長すれば豊かな生活を送ることもできるだろう。一方、事業が立ち行かなければ、もちろん家計も行き詰まる。それだけに、起業を成功に導くノウハウと綿密な事業計画が必要となるわけだが、Aさんはすでにいろいろと起業に関する勉強をしていて事業計画も作成済みだった。

     そこで、Aさんの事業計画を基に、将来の家計状況を分析してみることになった。

     まずは、独立をせずに、このまま会社員を続けるケースでの分析を見てみよう。

    <Aさんの状況>
    夫:35歳・会社員  
    妻:35歳・専業主婦  長男:0歳  
    ※もう1人子どもが欲しいと考えている。2年後に第2子誕生
    現在の年収 450万円(税や社会保険料支払い前の「額面」)
    分析の前提条件
    ・2年後に第2子が生まれるものとする。
    ・60歳の定年まで現在の会社で勤務を続ける。
    ・その後は65歳まで定年再雇用で働き続ける。収入は50歳までは年率2.5%で上昇し、その後は定年までは変わらず。60~64歳はそれまでの半額となる。
    ・現在の賃貸住宅に住み続けるものとする。

     85歳時点でも640万円ほどの貯蓄残高がある。けっして十分な余裕があるとは言えないが、家計が破綻する状況ではない。

     

     

    2016年01月18日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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