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    老後破産

    退職金食いつぶす“保険貧乏”…「老後破産」の現実(10)

    ファイナンシャルプランナー 柳澤美由紀
     シニアになって生命保険を見直したら、保険料支払いのためにどんどん預金残高が減っていく。よかれと思った選択だったが何か間違ったのだろうか――。「 『貯金2700万円』でも危ない… 」「 3500万円が底をつく『死角』… 」「 3000万円も不足? インフレの恐怖… 」「 退職金が半分に!?… 」「 『40代で子宝』夫婦の誤算… 」「 独立したら85歳で1600万円借金?!… 」「 子どもがニート? ひきこもり?… 」「 退職金でも住宅ローンが返せない?!… 」「 月32万円の年金で不足? 迫られたホーム転居… 」と続く「『老後破産』の現実」シリーズ。今回も柳澤さんが解説する。

    預金残高を見るたびに、生きていくのが怖くなる

    • (写真はイメージです)
      (写真はイメージです)

     Aさん(70歳女性)がご相談に来られたのは、蒸し暑い夏の日のことだった。どうしたのかと思うような青白い顔をしていた。Aさんは70歳の夫と共に年金暮らしをしている。

     Aさん「62歳のときに生命保険を見直しました。夫はがん保障の厚い医療保険とお葬式代程度の終身保険に、私は終身保険と医療保険、がん保険に加入しました。2人で毎月4万円以上保険料を払っているため、毎月赤字です」

     FP(筆者)「貯蓄を取り崩して保険料を払っている、ということですか?」

     Aさん「そうです。当初は私も夫もアルバイトをしていたので、貯蓄に手をつけなくても十分に払えました。しかし、1年前に仕事を辞めた頃から、生活が一気に苦しくなりました。年金だけでは暮らしていけないので、退職金を取り崩して払っている状態です。預金残高がみるみる減っていくのが怖い。どうしたらいいのでしょうか」

     Aさんはそう言って、加入されている保険の保険証券を手渡した。保障内容と保険料は次の通りである。

     死亡保障が高すぎるとか、医療保障を過剰に備えているとか、そういった状況ではない。加入当時のAさんのニーズを忠実に再現した結果が現在の保険だった。それゆえに保険の見直しに踏み込めず、ここまできたのだ。


    2016年06月13日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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