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    日本人宇宙飛行士 3人の決意

    無重力での仕事のコツ…日の丸飛行士座談会(上)

     日本人宇宙飛行士の油井亀美也さん(47)、大西卓哉さん(41)、金井宣茂さん(40)の3人による初めての座談会が、読売新聞社の企画で4月18日、茨城県つくば市の宇宙航空研究開発機構(JAXA=ジャクサ)筑波宇宙センター・スペースドームで行われた。

     2009年に宇宙飛行士候補に選抜された3人は「新世代宇宙飛行士」と呼ばれ、油井さんは2015年、大西さんは16年にロシアのソユーズ宇宙船で初飛行を果たし、国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在した。金井さんは17年秋の初飛行と、約半年間のISS滞在を予定している。座談会の詳報をお伝えする。

    金井さん「ミッションのハードルが上がった」

    Q:秋のミッション(=宇宙飛行)に向けた金井さんの訓練状況と決意を教えてください。

    金井:訓練は非常に順調です。油井さんが今、(JAXAの)宇宙飛行士グループのリーダー役をやってくださっている。油井さんが敷いたレールの上を歩いていけば、ミッションに向けて万事準備ができる状況で、安心して訓練に臨むことができています。

     そして、ミッションが終わったばかりの大西さんから、様々な助言を頂きながら準備を進めています。

    • 油井亀美也(ゆい・きみや)1970年長野県生まれ。航空自衛隊元パイロット、防衛省航空幕僚監部元所属。2015年7~12月までISS滞在
      油井亀美也(ゆい・きみや)1970年長野県生まれ。航空自衛隊元パイロット、防衛省航空幕僚監部元所属。2015年7~12月までISS滞在

     ミッションでお二人が非常にいい仕事をして帰ってきたので、その分ハードルが上がって、この高いハードルをどうやってこなそうかというプレッシャーはありますが、お二人からアドバイスをもらいながら、いい仕事を自分もやっていけたらなあと考えています。

    Q:後輩となる金井さんへのアドバイスは?

    油井:後輩というより同期としてやっていますが、本当に頼もしいですよね。ハードルを上げたって言ってましたけど、先ほどの記者会見では「大西さんや油井さんよりもいい仕事をする自信あります!」と言ってましたから、ホント頼もしい。

     私は今グループ長をやっていますが、自信を持って(宇宙に)行ってもらうことが重要なので、「私たちのサポートがいい証拠じゃないかな?」と思いながら、これから頑張ってほしいなと思っています。

    大西:最終走者、アンカーですよね。そのプレッシャーもあるでしょうけど、油井さんと私が培ってきた経験とか知見をすべて金井さんに託すので、必ずいい仕事をしてくれるんじゃないかなと思います。

     私は一緒に飛んだ米国人の女性宇宙飛行士が科学者の方だったんですけれど、彼女が宇宙ステーションで仕事をしているのを見て、科学者、専門的な知識を持った研究者の方が宇宙ステーションにいて、働いている意義をとても強く感じたので、油井さんと僕にない専門性を持った金井さんが宇宙に行くのは、とても期待しています。

    金井:ありがとうございます。なんか、またハードルが上がったような気がしました。

    油井、大西:あははは。

    油井さん「宇宙実験、金井さんへの期待が大きい」

    • 大西卓哉(おおにし・たくや)1975年東京都生まれ。全日本空輸(ANA)元パイロット。2016年7~10月までISS滞在
      大西卓哉(おおにし・たくや)1975年東京都生まれ。全日本空輸(ANA)元パイロット。2016年7~10月までISS滞在

    金井:お二人はパイロット出身で宇宙船の操作とか、ロボットアームでの輸送船のキャプチャーとかで非常に活躍されたんですけれども、私はお二人と同じような分野で、同じような高いレベルの仕事はおそらく勝負してもできないだろうなあと思っていますので、それとは別のところで、科学者として、医師出身のバックグラウンドで、自分の得意分野で別の働きができればいいな、と感じています。

    大西:それはすごく大事だと思います。宇宙飛行士も人それぞれ個性があるので、お互いの強みを持ち寄って乗員全体として、いいパフォーマンスを発揮することが、一番大事なことじゃないかと思いますね。

    油井:宇宙飛行士が宇宙ステーションに行くのは実験が第一の任務ですが、金井さんは実験する方々(=宇宙実験を依頼する地上の研究者)を考えて、きめ細かい実験ができますので、たぶん実験者の方々も喜んでいると思います。私や大西さんよりも、(実験の依頼者が)金井さんに期待する部分が大きいんじゃないかなと思っています。

    宇宙からのメッセージ、大西さん「素直な気持ちを」

    • 金井宣茂(かない・のりしげ)1976年東京都生まれ。海上自衛隊元潜水医官
      金井宣茂(かない・のりしげ)1976年東京都生まれ。海上自衛隊元潜水医官

    Q:金井さんから先輩2人に聞きたいことはありますか?

    金井:国際宇宙ステーションで何をやっているか、我々は実務に携わるので内容はわかるんですけれど、国民の皆さまには何が行われているのか、それが何の意味があるのか、わかりにくいところがあると思います。

    どうやってわかりやすく、お伝えすればいいのかというノウハウを、お二人からアドバイスいただけたらなと思います。

    油井:それは私も悩んでいるところなので(笑)。私も毎日のようにツイッターをしていますけど、なかなか難しいですよね。ただ一つ言えるのは、自分が理解したことを自分の言葉で言うのが一番、伝わりやすいと思いますね。

    大西:私も同感ですね。自分が楽しいなと思ったこととか、興味を持ったことの素直な気持ちを書くのが、他の人にも一番伝わるような気がします。書かなきゃいけないとか、伝えないといけないという思いがあると、メッセージは伝わらないと感じましたね。

    2017年05月08日 11時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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