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    計1万8000人を超す死者・行方不明者を出した東日本大震災。発生から5年を迎える被災地で復興に情熱を傾ける人々の姿、再生に向けた足取り、災害の教訓を生かす取り組みをお伝えします。
    現場から

    震災避難で意外に役立つあのグッズ…最新防災事情

    NPO法人プラス・アーツ東京事務所長 小倉 丈佳


     東日本大震災では避難者が最大47万人に達して、物資不足と慣れない環境の中で厳しい生活を強いられた。この時の経験から、南海トラフ地震や首都圏直下地震など将来の大災害に備えるため、避難や防災に対する考え方が大きく変わってきている。ユニークなイベントなどを通して防災教育を推進するNPO法人「プラス・アーツ」(神戸市)の小倉丈佳・東京事務所長が、防災・避難用グッズの最新事情を解説する。

    NPO法人プラス・アーツ東京事務所長 小倉 丈佳

    「避難所への持ち出し用」から「自宅避難で使う物」へ

    • 東日本大震災の被災者たちが集まった宮城県南三陸町の避難所。就寝する人や暖を取る人たちで混雑していた(2011年3月17日、大野博昭撮影)
      東日本大震災の被災者たちが集まった宮城県南三陸町の避難所。就寝する人や暖を取る人たちで混雑していた(2011年3月17日、大野博昭撮影)

     「防災グッズ」と言うと、みなさんはどんなイメージをお持ちでしょうか。自宅から避難する時にリュックなどに入れて持ち出す「非常用持ち出し品」を思い浮かべる人が多いのではないかと思います。しかし東日本大震災後に首都直下地震などの被害想定の見直しが行われ、家屋の被害状況によっては避難所への移動よりも「自宅で避難生活を送ること(自宅避難)」が推奨されるようになってきました。

     建築物の新耐震基準が導入されたのは1981年ですが、1995年の阪神・淡路大震災の時は、この新基準に満たない家屋がまだ多く、家屋倒壊に伴う圧死で亡くなる方が多数いました。しかし阪神・淡路大震災から20年以上が経ち、今では多くの家屋が新基準を満たしています。高層マンションなどが増えた地域は避難所に住民が入りきれないという課題もあります。そこで近年、首都圏では東京都などの自治体が「家屋が無事ならば避難所に行かず自宅で生活してください」と呼びかけています。

     それに伴って、防災グッズについての考え方も、「避難所などへ持ち出す物」から「自宅で使うために置いておく物」に重点を置くように変わってきました。では、どのようなグッズが自宅避難に必要なのでしょうか。「プラス・アーツ」がおすすめしている品目をご紹介します。

    ポリ袋、新聞紙、ラップ…多機能グッズとして活用

     被災後の様々な場面で活用できる多機能グッズとして、ぜひ揃えていただきたいのがポリ袋、新聞紙、ラップです。ポリ袋は調理する時やけがの手当をする時に手袋の代わりにしたり、バケツやダンボール箱にかぶせれば、水を清潔に運搬することができます。「大・中・小」それぞれの大きさのものを揃えておくといいでしょう。

     新聞紙は海苔巻きのように巻いて丸めれば、骨折した時の添え木の代わりになるし、くしゃくしゃにしてセーターとシャツなどの間に入れて防寒用にも役立てることができます。ラップはお皿などに被せれば食器洗いの水を節約できるし、切り傷の上から巻けば止血にも活用できます。

    2016年03月18日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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