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    計1万8000人を超す死者・行方不明者を出した東日本大震災。発生から5年を迎える被災地で復興に情熱を傾ける人々の姿、再生に向けた足取り、災害の教訓を生かす取り組みをお伝えします。
    現場から

    分断乗り越える共同体を~福島を忘れないで

    日本国際ボランティアセンター震災支援担当 白川徹

    家族、世代間での感情的な衝突も

    • イルミネーションに彩られた仮設住宅の集会場
      イルミネーションに彩られた仮設住宅の集会場

     友人や家族の間でも感情的な衝突が起きた。11年8月、子どもを連れて、福島市の避難所を出て南相馬に戻ってきた30代の母親の話が印象的だった。

     不自由な暮らしに幼い娘がまず耐えられなかったし、彼女自身も戻りたかった。南相馬に戻るにあたっては、インターネットや新聞で、自宅周辺の放射線量や、内部被曝(ひばく)を避ける方法を調べた。戻るときに、避難所で友人に話したところ、「あなたは子どものことを考えていない」と責められ、胸が潰れるほど痛かったという。

     反面、子どものことを考えて遠くに避難した息子夫婦世代に、南相馬に住む親戚たちから非難の言葉が浴びせられることもある。東京都杉並区に妻子を連れて避難中の40代の男性は避難していることに負い目を感じているという。

     「南相馬の両親と話すと、『俺たちはここで普通に暮らしているのになんで帰ってこないんだ』とよく言われます。用事があって南相馬に行く時も、周りの目がつらいです。わたしは妻子に少しでも安全な場所で暮らしてほしいだけなんですが……」

     今、市外に避難している人たちの多くは子どもを持つ若い世代だ。一方、地元にこだわりの強い老齢世代が市内に残るケースが多い。原発事故は心の分断をも引き起こした。

    2016年03月09日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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