(4)為替もリスク商品

 金利の高い国の公社債や、それを組み入れた投資信託(MMFも投資信託の一種です)は、安定的かつ国内のものに比べて高い利回りになっています。定期預金金利だって日本の「円建て」のものに比べると上回っています。しかし、問題は為替の動きだということを申し上げました。特に将来円に替える時にどうなっているかです。

 円に替える必要がなければ、日本国内より高い金利を十分に享受できます。実際、将来海外で暮らすことを考えている人や、数年後に子供を留学させたいと考えている人、あるいは将来、海外旅行で気前よくドルを使いたい人などは、円・ドルレートを気にせずに外貨預金や外貨建てMMFを保有しているケースが多いようです。

 しかし、円ベースでの貯蓄目的であれば、解約する時の為替レートが気になります。昨年1年間の円・ドルレートを月末値でみますと、最もドルが高かったのが6月で1ドル=120.96円、最も安かったのが11月で1ドル=101.80円でした。たった5か月で19円近くも振れてしまいました。比率にすると16%も違います。これでは、年5〜6%の金利では割りに合いません。

 もちろん逆もありうるわけで、ドル高になればもうけものです。最近は、それを楽しみにする人も増えてきて、ドルが急に安くなった時(急激な円高)など、証券会社の店頭には外貨建てMMFを買いたい人が列を作るといわれています。MMFはいつでも解約できますから、ドルが反発した時に為替差益を享受しようというのです。それはそれで楽しみようがあるわけです。

 ただ、現在、トナリの山田さんや私たちが頭を悩ませているのは、10年満期だったお金をどうしようかということですから、数か月で器用に為替変動をとらえるやりかたはあまりに忙しすぎます。

 前のシリーズ「投資信託入門」の「リスクとリターン(1)」、「リスクとリターン(2)」、「投資信託の種類を考える前に」をもう一度参考にしていただければと思います。安定的に高利回りで、上下に振れるリスクが小さいという都合がよいものは、結局、ないということを思い出して下さい。つまり、外貨建て定期預金、外貨建てMMFは、為替変動も考えるとハイリスク・ハイリターンなのです。それを理解した上で預金・投資の判断をすべきでしょう。(林 皓二)


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