|
(20)ファンドのスタイル・ブック<6>大型株ファンド
|
結局、小型株効果を狙った小型株ファンドは、基準価額の動きが明確でインデックスよりメリハリのある動きをするということでした。上昇局面では全体よりも先駆しますし、一方、下降局面でも全体よりも大きく下げるケースが多いということです。それでいて、「まだ小型であるだけにこれから成長の余地がある」ため、グロース株的な期待も持てるわけです。
これに対して大型株型とか大型株ファンドといわれるものがあります。小型株効果の逆を狙うわけですね。つまり、それほどはっきりと全体を上回る投資成果を上げなくても良いから、全体が下がる時にもそれほど下がらないで欲しいという、安定志向のファンドです。
もっとも、株式市場の局面によっては「大型株ほどよく上がる」こともありました。日本が高度成長期のころは、むしろ大型株の方がグロース的性格を持っていたわけです。ものは言いようですが、高度成長期では、「成長できたから大型株にもなれた」わけです。
90年代以降に出来た大型株ファンドは、特に相場の下降局面で小型株ほど大きく下がる経験をしたものですから、これらに比べると安定志向のファンドで、それなりに人気もありました。しかし、最近は厳しい現実に直面しています。世紀末になると、大きな金融機関や大企業まで一部で経営危機がささやかれ、それが現実になってしまったのです。投資家が抱いていた「大型企業は倒産しない」という安心感が薄らいだのです。
もう一つ、大型株ファンドの魅力を薄める考え方がでてきました。それは、大型株の動きはインデックス、とりわけTOPIX(東証株価指数)の動きとあまり変わらないということです。TOPIXは時価総額指数ですからどうしても大型株の影響を強く受けてしまいます。TOPIXとあまり変わらないというのではアクティブ運用の妙味は薄れます。
こんなわけで、このところ大型株ファンドの数は減少傾向にあります。追加型株式投信で純資産残高が30億円以上あるファンドは、何と3本になってしまいました。
先に述べたアノーマリーの観点からは、小型株効果が認められるケースは多いのですが、大型株効果についてはなかなか抽出しにくいということができるでしょう。(林 皓二)
|