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    商品に「直虎」ダメ?須坂藩主由来で既に商標

     8日に始まるNHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」の放送を前に、主人公・井伊直虎ゆかりの地の浜松市と浜松商工会議所が関連商品を企画したところ、一部の商品名に「直虎」の文字が使えないことがわかった。

     長野県須坂市の食品製造業者が「直虎」を商標登録していたためだ。浜松市などは特許庁に、登録を認めないよう求めて異議を申し立てた。これに対し、須坂市の業者は「地元藩主の堀直虎にちなんだものなのに」と困惑している。

     通説では、井伊直虎は戦国時代の女性武将で、遠江国とおとうみのくに井伊谷いいのや(現在の浜松市)を治めた父・井伊直盛の死後、井伊家を支えたとされる。

     浜松商工会議所は2016年2月から、地元の食品会社に「直虎」の名を冠した菓子などの開発を働きかけている。ところが、須坂市のみそ・しょうゆ製造会社が「直虎」を「文字商標」として出願し、同年4月に登録済みだったことが判明。浜松市内のデザイン会社も別の商品分野で商標登録していた。そのため、茶や菓子、調味料など約20種類で「直虎」の文字を無許可で使うことができなくなっている。

     浜松市と同商工会議所は同年8月、「歴史上の人物として認知されている直虎の名を商標として認めるのは公共の利益に反する」などとして、特許庁に異議を申し立てた。

     一方、須坂市の業者は、第13代須坂藩主・堀直虎(1836~68年)にちなんだみその開発が目的だったとし、「『直虎と言えば井伊直虎』という主張には違和感がある」と反論。出願は15年12月でドラマ放映の発表後だったが、「当時、井伊直虎のことは全く知らなかった」とも話している。

     特許庁は09年、歴史上の人物名の商標登録について、その人物の「著名性」「国民・地域住民の認識」などから判断し、公共の利益に反する場合は認めないとの指針をまとめている。

     堀直虎は、幕末の動乱期に財政の立て直しや洋式軍備の導入といった藩政改革に努めた名君とされる。18年の没後150年に向けて、須坂市が今年から関連イベントを始めるなど、功績をたたえる機運が地元で高まっている。今後の特許庁の審理では、「直虎」の文字を見て、大半の人が「井伊直虎」を思い浮かべるというほど、社会的に認識されているかどうかなどが、争点となりそうだ。

     同庁によると、商標登録取り消しを求める異議申し立てで審理を開始したケースは15年に399件あり、うち58件で登録が取り消されている。過去には、「福沢諭吉」の商標登録が無効になった事例がある。

    2017年01月06日 19時27分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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