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    カラス1000羽、フン害に神社困惑…対策難航

    • 金神社の上空を飛び交うカラス(茶山瞭撮影)
      金神社の上空を飛び交うカラス(茶山瞭撮影)
    • 金神社近くのビルの屋上に集まるカラス
      金神社近くのビルの屋上に集まるカラス

     約1000羽に上るカラスが、岐阜市の中心部・金町こがねまちの金神社周辺をねぐらにしており、神社などはフン害に悩まされている。

     神社ではいろいろな策を講じているが、実効性のある対策は難しいという。

    ◆空を覆うカラス

     8日夕方、市内の金華橋通り。大量のカラスがビルの屋上に集まり、「カァカァ」と鳴きながら買い物客らを見下ろしていた。日が暮れるに従い、カラスは徐々に金神社周辺の木々へと移動していった。

     「本当に困っています。見ていてください」。午後6時頃、同神社の長尾良彦権禰宜ごんねぎ(37)が爆竹を鳴らすと、驚いたカラスが境内の木々から一斉に飛び立った。まだ明るさがほのかに残る夕空が、一瞬にして大量の黒い点々で覆われた。

     市循環型社会推進課の担当者などによると、カラスはハシブトガラスとハシボソガラスの2種とみられ、約1000羽はいるという。同神社の本郷啓介宮司(66)は「かつて神社に集まる鳥はハトが多かった。ウグイスの鳴き声が聞こえた時期もあったのに……」と振り返る。

    ◆いたちごっこ

     神社に集まるカラスは2000年代に入り、急速に増え、神社は長年フン害に悩まされてきた。本郷宮司は「神社の屋根は真っ白け。雨が降ると、悪臭が漂う」と頭を抱える。爆竹を鳴らしたり、ライトを照射したりしたが、カラスは学習能力が高く、一度逃げても戻ってくるので、いたちごっこが続いているという。

     被害は神社にとどまらない。市には、周辺自治会から、「(カラスが)ゴミをつつく」「鳴き声がうるさい」といった苦情が過去に寄せられた。中部電力岐阜営業所によると、13年4月には、電線でのカラスの巣作りが原因で、近くの住ノ江町で停電が起きている。

    ◆難しい抜本的解決

     金神社は、柳ヶ瀬や玉宮町といった繁華街に囲まれている。なぜ街の中心部に集まるのか。カラスの生態に詳しい岐阜大野生動物管理学研究センターの森元萌弥・特任助教は「都市部は里山に比べ、猛禽もうきん類などの(カラスの)外敵が少ない。一方で、生ゴミなどの食べ物もあり、暮らしやすいのではないか」と分析する。

     カラスは鳥獣保護管理法で、市街地で増えすぎた場合、有害鳥獣として駆除ができる。市内では15年度に132羽が捕獲されているが、ねぐらから追い払わないと抜本的な解決にならない。森元特任助教は「カラスを追い払っても、別の場所で被害をもたらす可能性がある。抜本的な対策には、自治体間で連携することが必要だ」と指摘している。

    (茶山瞭)

    2017年02月16日 10時35分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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