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    気温下がり低体温症も、岩手の山菜採り死者5人

     岩手県内各地で山菜採りがシーズンを迎える中、遭難事故が相次ぎ、死者も出ている。

     昨年、一昨年は山菜採りによる死者はいなかったが、今年は既に5人に上る。この時期の山は夜間、急激に気温が下がり、低体温症が死因となった事例もあった。県警は「日帰りの予定でも下山できなくなった時のことを考え、防寒具や食料を携行してほしい」と警鐘を鳴らす。

     県警によると、山岳遭難者は2015年が50人、16年は48人。うち山菜採りによる遭難は15年が7人、16年が8人だったが、いずれも死者はいなかった。しかし、今年は6月16日現在、山岳遭難者22人のうち山菜採りの遭難は13人と約半数を占める。亡くなった5人は全員、70、80歳代の高齢者だった。

     県警や消防によると、今月2日、岩泉町釜津田の山林の急斜面近くの沢で、ワラビ採りの男性(78)が倒れているのを岩泉署員らの捜索隊が発見。斜面を滑り落ちたとみられる。病院に運ばれたが、その後、死亡が確認され、死因は低体温症による凍死だったことが判明した。また、6日には八幡平市の安比高原にある国有林で、タケノコ採りの最中に遭難した男性(75)が発見され、その後、低体温症による多臓器不全で死亡した。

     2人は発見された前日の早朝に入山。日帰りの予定だったが、途中で動けなくなり、山中で一晩を過ごすことを余儀なくされた。携帯電話の電波も通じない場所だった。

     岩泉町のケースでは、捜索時は雨が降ったりやんだりしていた。男性は下半身に雨具を着ていたが、防寒具は持っていなかった。1日夜の町中心部の気温は16度前後だったが、山中はさらに気温が低かったとみられる。男性はこの山を何度か訪れた経験があり、八幡平市で遭難した男性も、現場周辺を以前に訪れたことがあったという。

     県警は「経験者でもトラブルに巻き込まれて下山できないこともあり、雨や夜間の冷え込みで予想以上に体力は奪われる」と指摘。そのうえで、「山に入る際は体調を万全にし、万一に備えて1泊分の防寒着や食料、持病の薬、クマよけの鈴などを持ち、一人で行動しないことが大切だ」と呼びかける。

    2017年06月18日 13時42分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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