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    特殊車両、後絶たぬルール無視…検問で全件違反

    • 違反がないかどうかを調べる京都国道事務所の職員ら(大山崎町で)
      違反がないかどうかを調べる京都国道事務所の職員ら(大山崎町で)

     京都府警や国土交通省が大型クレーン車などの特殊車両の取り締まりに力を入れている。

     特殊車両の走行には特別な許可や条件が必要だが、ルールを守らない車両が後を絶たないためだ。1年前には長岡京市で違反状態で走っていた大型クレーン車がミニバイクの女性(当時39歳)をはねて死亡させる事故も起きており、府警と国交省は合同で検問を行い、注意を呼びかけた。

     事故は、昨年9月12日夜、同市勝竜寺の府道で発生。大型クレーン車を運転していた男(48)が自動車運転死傷行為処罰法違反(過失運転致死)などの疑いで逮捕され、執行猶予付きの有罪判決を受けた。

     車体の総重量や長さなどが制限値を超える特殊車両は、いったん事故を起こせば重大な結果につながりやすいうえ、道路へのダメージも大きいことから、道路法で▽事前に走行経路などを申請し、道路管理者の許可を得る▽周囲の安全を確認するため、走行時に誘導車を付ける――ことなどが定められている。

     向日町署によると、男は事故当時、許可されていない経路を通り、誘導車も付けていなかったという。同署の衣笠巧・交通課長は「ルールを守っていれば、悲惨な事故は起こらなかったはず」と強調する。

     再発防止につなげようと、同署は11日朝、国交省京都国道事務所と合同で、長岡京市や大山崎町などで検問を実施した。府警航空隊のヘリコプターが上空から特殊車両を見つけると、無線連絡を受けた地上の白バイ隊員が同事務所の大山崎車両計量所(大山崎町)まで誘導。同事務所の職員が許可証の有無や走行条件などを確認した。

     この日は約2時間で11台の特殊車両を調べ、すべてに違反が確認された。内訳は、無許可走行が4件、経路違反が2件、誘導車なしが1件などだった。今後、所属する会社に警告書を送付するという。

     誘導車を付けていなかった大型トレーラーの男性運転手は取材に対し、「誘導車を付けていては採算が合わない。律義に条件を守っている業者の方が少ないと思う」と漏らしたが、衣笠課長は「特殊車両の危険性を認識していない運転手が多い。事故を起こさないよう規則はきちんと守ってほしい」と訴えた。(秋山原)

     ◆荷主にも指導を

     国はこの10年ほどで特殊車両の事業者に対する取り締まりの強化を進めてきたが、違反車両の割合は依然として高い水準にある。

     国土交通省は2008年に重量オーバーの車両のナンバーを撮影する車両重量自動計測装置を全国の主な国道や高速道路などで導入。その後も違反を繰り返す事業者名を同省のホームページなどで公表したり、悪質な違反者を即時に警察に告発したりするなどの対策に取り組んできた。

     しかし、京都国道事務所が16年度に八幡市と大山崎町で計12回行った検問では、91台中73台(80.2%)に違反があった。そのうち66台に警告書の交付、7台に徐行や荷物の積み替えなどを指示する措置命令を行ったが、刑事告発には至っていないという。

     国交省の担当者は「違反を減らすために、今後は事業者だけでなく、荷主への指導にも取り組んでいきたい」としている。

    2017年09月13日 10時08分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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