文字サイズ

    NHKの受信料制度「合憲」…最高裁が初判断

    • 放送法の規定を巡る上告審で、「合憲」とする判決を出した最高裁大法廷(6日午後、東京都千代田区で)=高橋美帆撮影
      放送法の規定を巡る上告審で、「合憲」とする判決を出した最高裁大法廷(6日午後、東京都千代田区で)=高橋美帆撮影

     NHKが受信契約の締結を拒んだ人に、受信料の支払いを求めた訴訟の上告審判決で、最高裁大法廷(裁判長・寺田逸郎長官)は6日、テレビを持つ人にNHKとの受信契約を強制した放送法64条1項を「合憲」とする初判断を示した。

     また、NHKが契約を拒む人を相手取って起こした裁判で勝訴が確定すれば契約が成立し、テレビ設置時まで遡って支払い義務が生じるとした。

     判決は、全国で約900万世帯(今年3月末現在)あるとされる未契約者からの受信料徴収に、大きな影響を与えることになる。

     15人の裁判官のうち、14人の多数意見。木内道祥みちよし裁判官は「受信契約の締結は判決で命じられる性質のものではない」とする反対意見を述べた。

     大法廷はまず、NHKの受信料制度の意義について、「特定の個人や団体、国家機関から財政面での支配や影響が及ばないよう、NHK放送を見られる環境にある人に広く公平に負担を求めたもの」と指摘。「受信料制度は憲法が保障する『表現の自由』の下で、国民の知る権利を満たすために合理的だ」とした。さらに、近年の多チャンネル化やインターネットの普及などを踏まえ、「放送を巡る環境の変化が生じつつあっても、その合理性が失われたとはいえない」とも述べ、「合憲」と判断した。

     また、NHKは、未契約者に契約を申し込んだ時点で受信契約が成立すると主張したが、大法廷は、成立時期を「NHKが未契約者を相手取って裁判を起こし、勝訴判決が確定した時点」と判断。未契約者がその後支払うべき受信料については「すぐに契約を締結した人との間で支払うべき受信料に差が生じるのは公平ではない」として、テレビ設置時からの支払いを命じた。

     一方、未払い受信料を徴収できなくなる時効(5年)について、契約成立前の過去の受信料には適用されないとの考え方を示した。これにより、理論上は、NHKはテレビを設置してから数十年間未契約だった人に対しても、裁判を起こして勝訴すれば、全期間の受信料を徴収できることになる。

     NHKは今回の訴訟で、2006年に自宅にテレビを設置し、契約を拒み続けた東京都内の男性に対し、受信契約の締結と06年以降の受信料の支払いを求めた。この日の大法廷判決で、男性に受信料計約20万円の支払いを命じた1審・東京地裁と2審・東京高裁の判決が確定した。

     NHK広報局は、「判決は公共放送の意義を認め、受信料制度が合憲との判断を示したもので、NHKの主張が認められたと受け止めている。引き続き、受信料制度の意義を丁寧に説明し、公平負担の徹底に努める」とのコメントを出した。

    (ここまで1076文字 / 残り128文字)
    2017年12月06日 20時07分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
    読売プレミアムに登録された方 記事の続きへ
    未登録の方新規登録へ
    おすすめ
    PR
    今週のPICK UP
    PR
    今週のPICK UP
    2018年を彩るカレンダーをプレゼント!