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    ニセ電話詐欺「だまされん隊」寸劇で啓発

    • 寸劇を行う神埼署員ら
      寸劇を行う神埼署員ら

     電話でうその話を信じ込ませ、現金や電子マネーなどをだまし取る「ニセ電話詐欺」の被害が佐賀県内でも後を絶たない。

     昨年は発生件数、被害額ともに前年より減少したものの、被害額は1億円を超えており、県警は摘発と防止策に力を入れている。

    ■「振り込み型」が最多

     県警生活安全企画課によると、昨年1年間のニセ電話詐欺の発生件数は64件(暫定値)で、被害額は約1億4500万円(同)。2016年より件数は5件、額は約8000万円減少した。

     内訳は、現金自動預け払い機(ATM)などからの「振り込み型」が最多で21件。相手にギフトカードなどを購入させ、カードの番号を聞き出して電子マネーを使う「電子マネー型」が17件で続いた。

     一方、宅配便などで直接現金を送らせる「現金送付型」は9件だが、被害額は約7630万円で最多だった。

     被害者は65歳以上の高齢者が全体の約65%を占める。生活安全部の松尾健三管理官は「少額だが確実にお金が手に入り、摘発されにくい振り込み型が増加傾向にあり、新たな手口が生まれる可能性もある」と警戒する。

    ■「指示役」の逮捕も

     県警捜査2課によると、昨年1年間のニセ電話詐欺の摘発件数(暫定値)は、前年比7件増の26件だった。

     逮捕されるのは、現金の受け取り役の「受け子」など組織の末端が多いものの、県警の全警察署の中で最多の16件(同)を摘発した佐賀南署は昨年9月、受け子などの「リクルーター役」や、「指示役」を逮捕した。同署によると、指示役の男は「暴力団とやりとりをしていた」という趣旨の供述をしており、同署幹部は「組織や手口の実態解明に一歩前進した」と語る。

     16年5月に導入した、だまされたふりをして摘発を目指す緊急対策チーム「SPOT(スポット)」による摘発も7件に上った。

     摘発件数の増加について、同課の木下浩一次席は「捜査員の対処能力が向上したことや、不審な人物がいた際に捜査員が今まで以上に積極的に職務質問するようにしていることなどが要因」と説明している。

    ■「だまされん隊」結成

     被害を未然に防ごうと、県警は啓発にも一層力を入れている。

     老人クラブや企業を始め、小中高校でも注意を呼びかける講話を実施。昨年12月には、県内のコンビニ店約360店舗に、客がニセ電話詐欺に遭っていないか確認するためのチェックシートを配った。コンビニ店で被害に遭うケースが多いことを受けた対策だ。

     神埼署は昨年4月、高齢者に寸劇でニセ電話詐欺への注意を呼びかける「だまされん隊」を独自に結成。社会福祉協議会や西九州大の学生らと協力して管内の敬老会などに出向き、犯人役や高齢者役などに分かれ、被害の実態をユーモアを交えながら演じる。

     高齢者からは「ビラよりも分かりやすくて役に立った」「面白くて記憶に残った」と好評だったという。出演している同署生活安全課の篠原清澄警部補は「お年寄りの印象に残り、確実に啓発につながっている」と手応えを語る。

     劇による啓発活動は佐賀北署や伊万里署も行った。

    (横山潤)

    2018年01月14日 11時03分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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