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    認知機能検査に予約殺到「9月末までいっぱい」

    • 認知機能検査の一つを説明する千葉県の京葉自動車教習所の職員。一度見た絵を1~2分後にも覚えているかどうかを確かめるという
      認知機能検査の一つを説明する千葉県の京葉自動車教習所の職員。一度見た絵を1~2分後にも覚えているかどうかを確かめるという

     75歳以上の高齢ドライバーの認知機能検査を強化した改正道交法の施行から約1年間で、検査を受けた千葉県内の9万8934人のうち約2・4%の2393人が「認知症のおそれ」と判定されたことが、県警への取材でわかった。検査は自動車教習所で受けられるが、県内でも予約が殺到し、検査待ちが常態化している。

     昨年3月に施行された改正法では、75歳以上のドライバーに対し、3年に1度の免許更新時と信号無視などの交通違反時に、判断力や記憶力を測定する認知機能検査の受検を義務づけている。検査後に高齢者講習も受けなければならない。

     検査を受けると、「認知症のおそれ」(第1分類)、「認知機能低下のおそれ」(第2分類)、「問題なし」(第3分類)の3段階に判定される。第1分類は医師の診断を受け、認知症と診断されれば免許取り消しか停止となる。

     県警によると、3月末までに第1分類に判定された2393人のうち、医師の診断を終えたのは511人。このうち10人が認知症と診断され、免許取り消しや停止となった。残りは、認知機能の低下があって6か月後の再受診が必要と診断されたり、問題なしとされたりした。

     認知機能低下のおそれの第2分類は2万4831人、問題なしの第3分類は7万1710人だった。

     全受検者のうち、免許を自主返納したのは546人。この中には検査で第1分類に判定され、医師の診断前に返納した人も含まれる。

              ◇

     「9月末まで予約が埋まっている。混雑は一向に収まらない」。京葉自動車教習所(千葉市稲毛区)の長野克彦所長(65)は困惑した表情で語った。

     県警によると、認知機能検査は県内31市町、計56か所の教習所で実施されているが、検査待ちの平均日数は6月7日時点で35・9日。同教習所はこれを大幅に上回り、長野所長は「高齢者の住民が多い地域だけに仕方がない」とあきらめ顔だ。

     同教習所では、認知機能検査と高齢者講習を2人の職員が担当。「通常の教習もあるため人数を割けない。専門の講師を雇う余裕もない」と打ち明ける長野所長は「地域の教習所が融通し合って受け入れていくしかない」と訴える。

     検査を通過した高齢ドライバーによる事故も起きている。神奈川県では5月、90歳の女性が運転する車が赤信号の交差点に突っ込み、4人が死傷。女性は3月、免許更新時の検査で「問題なし」と判定されていた。順天堂大医学部の新井平伊教授(老年精神医学)は「認知機能検査だけで高齢者の運転技能を判断するのは不適切。実際に運転する実地試験を加えて、総合的に判断する必要がある」と指摘している。(鈴木慎平、長岩真子)

    2018年06月14日 19時03分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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