国交省「タクシー券」禁止初日、終電に駆け込む姿も「タクシー券の安易な使用をなくしたい」。中央省庁の「居酒屋タクシー」問題を受けた冬柴国土交通相の“鶴の一声”で23日から2か月間、タクシー券の使用禁止に踏み切った国土交通省。 取り組み初日の夜、最寄りの地下鉄駅は終電まで人波が切れ目なく続き、客待ちをするタクシーの車列はほとんど動かなかった。 24日午前0時過ぎ。埼玉方面に向かう0時6分の終電に遅れないようにと、霞ヶ関駅に続く階段を30人ほどの集団が小走りで駆け下りていく。庁舎の警備員は「いつもより随分多いね」とつぶやいた。 まだ、仕事をやり残しているという女性職員(24)は「駅から自宅までの夜道が心配」と不安げ。男性職員(25)は「タクシーで帰れば、あと数時間は残業できた。この調子だと、土日も出勤しないと」と漏らした。 午前1時。庁舎前の霞が関坂には、40台のタクシーが並ぶ。終電に間に合わなかった職員は、上司の許可を得れば立て替え払いでタクシーを使うことができるが利用者はまばら。一緒に乗り込んだ男性職員2人は、「1万5000円ぐらいかかるので相乗りで折半します」。40歳代の男性職員は「自腹ではとても払えない」と言葉少なだった。 結局、午前2時までの利用者は11人。タクシーの運転手(48)は「1週間前は250人は使っていたのに」。別の運転手(60)は「待っていても商売にならない。もうここには来ない」と話した。 午前3時。庁舎はまだ30近くの部屋から明かりが漏れている。 ある部屋では、書類整理に手間取り、終電を逃したという男性係長(41)が1人、がらんとした室内でパソコンをたたいていた。仕事を終えたらソファで仮眠し、始発電車でいったん帰宅するという。 「立て替え払いの手続きは面倒だし、今はタクシーを使える雰囲気じゃない」と話し、自粛ムードが強いことをうかがわせた。 国交省のタクシー券利用は2006年度、霞が関の本省だけで12億円分あった。(吉永亜希子、畑武尊) (2008年6月24日14時25分 読売新聞)
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