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育児放棄され人工保育のサル、群れに戻せるか…決断の時

秋田・大森山動物園で4年前から個別に飼育されているニホンザルの「マサヨ」

 秋田市の大森山動物園の猿山では、56匹のニホンザルが群れを作り、にぎやかに暮らす。その片隅で、群れからはずれてひっそりと生きるニホンザルもいる。

 猿山の裏の室内飼育場。一番端のおりに、雌のマサヨ(4)はいた。おりに人が入ると、「キャー」と鳴いて警戒感をあらわにする。

 「野菜も食べれ」

 昨年11月から飼育を担当している斎藤勇さん(47)は語りかけた。ボール一杯のニンジンや大根などの野菜、動物用の固形餌がマサヨの食事だ。斎藤さんが一つずつ手渡しすると、マサヨは手づかみで口に入れた。

 斎藤さんは、「マサヨは、少しメタボ気味なんだ。でも、1人で寂しいだろうと思うと、ほかのサルより多めに餌を与えてしまう」と話す。

 マサヨは生まれて間もなく、母猿の育児放棄のため、衰弱したまま猿山の中で見つかった。園内の動物病院で半年近く人工保育を受けた。その後、何回か、群れに戻そうとした。

 しかし、ニホンザルは、一度群れから離れると、なかなか戻れない。別の猿に攻撃されて20針近く縫うけがをしたこともあった。

 そんなマサヨも“大人”になった。

 「オスが興味を示すかもしれない。群れに戻せる最後のチャンス」

 昨年3月まで、動物園の獣医師だった高橋広志さんは今も気にかけている。

 一方、斎藤さんは「確かに最後かもしれないが、かわいい娘が大けがをしないか。やはり難しい」と、どうするか、なかなか決断できないでいる。

 マサヨは今、孤独かもしれない。だが、たくさんの愛情を受けて育っているのも事実だ。

2009年1月30日16時13分  読売新聞)
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