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北陸鉄道石川線が区間廃止、82年の歴史に幕

大勢の人に見送られて出発した、加賀一の宮駅発の最終列車(31日午後10時7分)
限定切符を買い求める鉄道ファンら(加賀一の宮駅で)

 82年間ありがとう―。

 北陸鉄道石川線鶴来―加賀一の宮間(2・1キロ)が31日、区間廃止された。最終駅の加賀一の宮駅(白山市白山町)には廃線を惜しむ住民や鉄道ファンが朝早くから詰めかけた。

 午前9時50分、奥村秀智さん(42)が運転する二両列車が加賀一の宮駅に到着した。列車から降りた約100人の乗客で混雑する駅を見た奥村さんは「正月以外でこんなににぎわったのは初めて」と驚いた。

 奥村さんは車掌・運転士歴24年。無人の加賀一の宮駅に停車後は、乗客との世間話にもよく花が咲いた。駅手前にある公園の桜も楽しみだった。「今日で最後かと思うとやはり寂しいですね」と振り返った。

 40年ぶりに同駅を訪れたという金沢市の島田恵子さん(62)は、娘や孫と降り立ち、変わらぬ木造の駅舎に懐かしさがこみ上げた。「白山さん(比?(ひめ)神社)の参拝にも最近は車で来ていた。もっと利用していればよかった」と残念そう。

 午前10時からは構内で廃線記念切符やキーホルダー、Tシャツなどのグッズが売り出され、販売前から長蛇の列を作っていた鉄道ファンが次々と買い求めた。

 午後9時半から、住民やファンが見守る中、お別れセレモニーが開かれ、地元の高校生が、運転士に花束を手渡した。その後、午後10時7分の上り最終列車を見送ろうと、ホームは人で埋め尽くされた。満員の客を乗せて列車が出発すると、一斉にカメラのフラッシュがたかれ、「ありがとう」の声が構内に響いた。

 「石川線を支え守る会」の森辰生会長(69)は存続運動にかかわった1年を振り返り、「やることはやった。将来の区間復活にわずかな望みをかけながら、鉄道なき後の新しい街づくりを考えたい」と語った。

2009年11月1日12時39分  読売新聞)
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