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東京は世界一のグルメ都市なの?

 

 20日に出た「ミシュランガイド東京2010」で、東京はパリを抜き、世界最多の11の飲食店が「三つ星」と認定された。

 一つ星、二つ星を含めた星の総数も一番多く、ミシュラン側は「東京は世界一の美食都市」と持ち上げる。額面通りに受け止めていいのか?

 フランスのタイヤメーカー「ミシュラン」が手がける同ガイドのうち、東京版の発行は08、09年版に続いて3回目。発行元の日本ミシュランタイヤによると、08年版の格付けをした調査チームは、欧州人3人、日本人2人の計5人だったが、09年版は日本人5人と欧州人1人。今回は7人全員が日本人になった。この7人は今年10月に出た京都・大阪版も担当した。

 その国の食のことが一番よく分かるのは現地の人、というのがミシュラン側の考え方。だが、地元びいきになる心配はないのか。

 「星の価値は世界中で同じ。東京だけ判定が甘いということはない」と強調するのはミシュランガイドの総責任者、ジャンリュック・ナレ氏(48)だ。そのナレ氏が説明する評価のシステムとは――。

 世界に90人いる調査員はいずれも現地法人の社員。ホテルやレストランで働いた経験のある人で、志願してくるケースもあれば、スカウトする場合もある。食への情熱と観察眼の鋭さが採用のポイントという。

 新人は欧州で数か月、ベテラン調査員とペアで食べ歩く研修を受ける。独り立ちできるという評価を得れば、本国での調査を開始。現地法人内にある編集部が星をつける候補としてピックアップした店に出向き、〈1〉素材の質〈2〉調理技術の高さと味付けの完成度〈3〉料理の独創性――などをリポートにまとめる。高い評価を得た店には、別の調査員も出向いて同様にリポートを提出。最終的に、ナレ氏、編集長、調査員が話し合って星の数を決める。

 「専門的な訓練を受けた調査員の評価だから信頼できる」。ナレ氏は胸を張るが、違う考え方もある。

 「料理そのものに対する専門家の評価と、一般の人の満足度は必ずしも一致しない。客は店の雰囲気も重視する傾向があり、専門家から名店との評価を受けながら閉店した例もある」。そう語るのは、世界89都市の飲食店を評価しているレストランガイド「ザガットサーベイ」の国内版を編集している高田明彦さんだ。ザガットは、特定の調査員ではなく、利用者の評価を点数化しているという。

 食文化研究家の向笠(むかさ)千恵子さんは「ミシュランに載っていなくても素晴らしい店は多いし、載っている店が必ずしも万人に魅力的なわけでもない」としたうえで、こう呼びかける。「星の数はあくまでも一つの話題と受け止め、自分のお気に入りを作るうえでの参考にするぐらいで、いいんじゃないでしょうか」(河村武志、高梨しのぶ)

2009年11月25日06時29分  読売新聞)
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