新学期で学校体育館使えず、移転迫られる避難者福島県の県立高校の大半で8日、始業式が行われ、新学期がスタートした。 これに伴い、高校の体育館などを避難所として生活している約2000人が新たな避難先への移動を余儀なくされる。多くは移転に理解を示しているが、「県の説明が十分でない」「原発がある限り、落ち着くことはできない」などと困惑の声が上がっている。 福島市浜田町の福島東高校。8日が始業式だったが、体育館にはまだ100人を超える避難住民がいて、市の担当者と向き合った。 「新しい避難所は遠すぎる」「もっと早く説明してくれれば、準備もできたのに」。住民からは戸惑いの声が相次いだ。 この日の説明会は2回目。5日に行われた1回目の説明会では、同校の避難者のうち、県の費用負担で福島市内の旅館に入れるのは5人だけで、100人余りは南会津町の宿泊施設を提示された。「遠すぎる」との意見が出て、再度の説明会となった。結局、ほとんどが、福島市のあづま総合運動公園にひとまず移ることになり、避難者のまとめ役となっている林一重さん(66)は「高齢者や小さな子どもがいる家庭は、優先的に宿泊先を決めてほしい」と念を押した。 郡山北工業高校(郡山市)でも8日、体育館で避難生活を送る約80人を対象に説明が行われ、新たな避難所として市青少年会館に17日に移ることが伝えられた。 同校に来て10日ほどになるという浪江町、無職大和田好徳さん(76)は「避難所はここで3か所目。学校の体育館なんだから、移動は仕方ない。環境が変われば慣れるのに時間もかかる。帰る家はあるのに、原発がある限りいつ落ち着けるか分からない」と、不安を口にした。 県災害対策本部などによると、8日、福島と郡山両市のほとんどの県立高校で始業式が行われた。同日現在、両市で特別支援学校を含めた県立学校に計約800人が身を寄せており、いわき市など全ての県立校を含めると全体では約2000人に上る。同本部は「学校機能を維持するには体育館をあけておく必要がある。避難者の希望する移転先をできるだけ確保していきたい」としている。 (2011年4月9日06時24分 読売新聞)
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