強烈な悪臭、大量のハエ…魚介類腐敗進む被災地東日本大震災の発生から11日で3か月を迎えるが、津波の被害が大きかった岩手県沿岸南部では、水産加工会社の冷蔵庫から流出したサンマやイカなどの魚介類の腐敗が進み、ハエが大量発生している。 大船渡市は市内沿岸部全域の害虫駆除を今月中に業者へ委託する方針だ。専門家は「放置しておくと衛生上の問題や感染症の恐れもある」と注意を呼びかけている。 大船渡市の沿岸部。海沿いに立ち並ぶ水産加工会社の冷蔵庫が津波で流され、1万5000トン以上のサンマやイカ、カツオなどの魚介類が散乱した。気温が高くなるにつれて腐敗が進み、強烈な悪臭を放つようになった。腐敗した魚の上をウミネコが舞い、ハエがたかっている。 陸前高田市でも、流出した約1200トンの魚がいまだ手つかずのまま。同市気仙町の仮設住宅で暮らす男性(62)は「部屋には常に数匹のハエがいる。食べ物にたかるので衛生的に不安」と困惑する。 害虫駆除業者でつくる社団法人「岩手ペストコントロール協会」は、5月から陸前高田と大船渡両市を中心にハエの駆除に乗り出した。2〜3人でチームを組み、トラックの荷台に殺虫剤溶液を積んで現場に向かう。悪臭が強烈なため、防護服を着込み、液剤を高圧噴射できるホースで、がれきや魚に散布していく。費用は、同協会関係者の依頼を受けた民間活動団体(NGO)が拠出している。 大船渡市は同協会に所属する害虫駆除業者などに、6月中にも沿岸部全域にあたる約760ヘクタールの防疫を委託する予定。しかし、1平方メートルあたり約2リットルの殺虫剤が必要になり、「数年にわたった場合、億単位の膨大な予算がかかる」(市民生活環境課)と話している。 同協会によると、がれきや腐敗した魚にたかったハエが赤痢菌などを媒介し、食べ物などを汚染する恐れがあるという。協会の沼山祐司さん(44)は「これから暑くなると、さらにハエの数は増える。今のうちから蚊帳や網戸でハエとの接触を減らしてほしい」と呼びかけている。 (2011年6月11日17時26分 読売新聞)
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