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警戒区域内、放浪犬の保護難航…既に野生化も

警戒区域で保護され、職員にワクチンの注射を打たれる子犬。毛並みは汚れが目立ち、全身が皮膚病で赤くただれている=福島市内で

 福島県と環境省が、東京電力福島第一原発事故で立ち入りが制限されている原発から20キロ圏の警戒区域内で、飼い主が避難したため放浪している犬の本格的な保護に乗り出した。

 専門家によると、野生化した犬は感染症にかかりやすく、区域外に出て病気を人にうつす恐れもあるという。しかし、放浪犬は人を見ると逃げてしまい、餌を仕掛けたワナにも掛かりにくく、保護は難航している。

 「きょうも空っぽか」。9月9日、楢葉町の警戒区域内に仕掛けた数か所のワナを確認し、県職員がつぶやいた。

 区域内の飼い犬登録数は約5800匹。県は5月10日から8月下旬にかけ、家でつながれていた犬などペット計323匹を保護した。今月5日からは放浪犬の保護に乗り出し、3匹を捕らえたが、ワナの捕獲箱に入ったのはゼロ。ボランティアが保護したり、津波や衰弱などで死んだ犬を引いても、数百匹が区域内にいるとみられる。

 3月の原発事故から半年が過ぎ、区域内では飼い主が避難した後に生まれた子犬が走り回る。県職員は「その子犬が出産すれば、孫犬は人を全く知らない野生犬。何とか子犬世代で捕まえたい」と話す。

 国や県の許可を受け、放浪犬を保護してきた獣医師馬場国敏さん(63)(川崎市)は8月中旬、区域内で子猫の死骸を見つけた。手足には犬に襲われ肉を食いちぎられた痕があった。約10キロ離れた場所では、馬場さんの姿を見た犬2匹が、山の方に逃げて行った。馬場さんは「既に野生になっている。感染症にかかった犬が区域外に出て、人を襲えば病気が流行する危険もある」と危惧する。

2011年9月16日17時36分  読売新聞)

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