MOTHER3
(c) 2006 SHIGESATO ITOI / Nintendo Sound:(c) 2006 HAL Laboratory, Inc. / Nintendo
糸井重里さんによる人気ロール・プレーイング・ゲーム(RPG)のシリーズ最新作。前作「MOTHER2」が1994年夏の発売なので、実に12年近く本作の登場を待ったことになる。一時は開発が中止された経緯もあり、発売が実現したことだけでも感激しているファンは多いだろう。
マザー・シリーズの魅力は、何と言っても糸井さんが練りに練った登場人物らの味わい深いセリフにある。サイト「ほぼ日刊イトイ新聞」によれば、スタッフと合宿して連日朝から深夜まで議論を重ねながらセリフの一つ一つを決めていったのだという。こうしたこだわりの作業の結果、単なる脇役の村人から道ばたのスズメに至るまで、話しかけるのがいちいち楽しい。こういうRPGは、ちょっとほかにはないだろう。
前作までの内容を知らない人でも問題なく遊べるが、経験者はさらに懐かしい気分で楽しむことができる。もっとも従来のポップな雰囲気を期待すると、今回は序盤からびっくりするかもしれない。展開がとてもシリアスなのだ。
(c) 2006 SHIGESATO ITOI / Nintendo Sound:(c) 2006 HAL Laboratory, Inc. / Nintendo
これまでも主人公に対する両親の愛情を感じさせる場面などはあったが、今回は家族愛がストレートに描かれる。糸井さんが本シリーズに「マザー」と名付けたのはこういうことだったのだな、と納得させられる。最後の戦いは、うっかり外出先や人前でやらないほうがいい。きっと泣いてしまうからだ。
ハードの進化によってゲーム映像は現実に近い説得力を獲得してきた。しかし本作で改めて感じるのは、ゲーム中に表示される文字が持つパワーだ。RPGが物語である以上、一番大事なのはやはりそこで語られる言葉なのだということを再確認できる作品である。(大和太郎)
| 対応機種 | ゲームボーイアドバンスなど |
| 発売元 | 任天堂 |
| 希望小売価格 | 4,800円(税込) |
(2006年5月19日 読売新聞)