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衛星ラジオ、業界に新風先日、元ビートルズのポール・マッカートニーさんがコンサート会場から国際宇宙ステーションに向けて演奏を生中継する初の試みに成功したが、今、米国では、その逆向きに、軌道上の衛星から地球に送信される「サテライト(衛星)ラジオ」が人気を集めている。 衛星電波を利用した米国独自の多チャンネル・高音質の配信サービスで、XM、シリウスという大手がスポーツ中継や音楽、ニュースなどそれぞれ100以上のチャンネルを放送している。CMがないのも売りで、利用者は専用端末を購入し、月額十数ドルの料金を支払う。ケーブルテレビのラジオ版という印象だ。 当初は苦戦していたが、カーオーディオの分野では独自の地位を築きつつあり、衛星ラジオ搭載の車種が増えている。旅先でレンタカーを運転するときによく聞くのだが、高音質で予想以上に快適だ。 特に米国では片道100マイル(約160キロ)以上を平気で移動するため、走っているうちにFM局の受信範囲を出てしまうが、衛星ラジオはそのようなことがなく、ドライバーの需要を広げる一因になっている。 最近では、手のひらサイズのヘッドフォン付き端末も市場に投入され、アップルコンピュータのiPodの市場切り崩しにも挑んでいる。CMには、歌手のエルトン・ジョンさんが起用され、iPodのCMのU2並みに、イメージ浸透に貢献した。 こうした人気にドライバーを主な“顧客”としてきた地方FM局は警戒感を示すが、「ロックの名曲専門」などと称して、個人所有のCD棚と同レベルの曲目を何年も流し続けている局が少なくないため、ドライバーの支持は、衛星ラジオに確実に流れている。 この分野は、iPod優勢で、先の見通しはまだ不透明だが、何十年も同じ状況に安住していたラジオ業界に大きなくさびを打ち込んだのは確かだ。(ワシントン 笹沢教一) (2005年11月29日 読売新聞)
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