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iPadが教科書を変える

画面1:「iBooks 2 for iPad」から、さまざまな電子テキストブックを入手できる
画面2:「E.O. Wilson's Life on Earth」(無料)でマルチタッチブックの操作性がわかる
画面3:Mac版「iBooks Author」も無料公開されている
画面4:「iTunes U」では、膨大な教育コンテンツが無料配信されている
画面5:コンテンツはダウンロードして視聴する
画面6:画面5でコンテンツをタップすると、ダウンロード済みの講義が一覧表示される
画面7:時間の空いたときに、いつでも手軽に再生して視聴できる
画面8:「iTunes U」は、ウィンドウズとMac上でも視聴できる

 2012年1月19日(米国時間)、アップルは米ニューヨークのグッゲンハイム美術館において、教育関連のイベントを開催した。

 その中で、電子教科書の作成、配布、入手を行うプラットフォームと、有名大学の講義を無料で受講できるアプリの発表を行った。

教科書を再定義する

 はじめに発表されたのが、電子テキストブックを閲覧・購入するアプリの新版「iBooks 2 for iPad(アイブックス・ツー・フォー・アイパッド)」だ。「AppStore(アップストア)」から無料でダウンロードできる。

 注目ポイントは、まったく新しい電子教科書となるiBooksテキストブックへの対応にある。iBooksテキストブックはインタラクティブな操作性を持ち、全画面表示できる図や写真、動画、アニメーションなどをふんだんに使ったマルチタッチブックだ。

 iPadユーザーであれば、「iBookstore(アイブックストア)」ですでに公開されている「E.O. Wilson's Life on Earth」(英語、無料)を使ってみると、どのようなものかわかりやすい(画面1)。

 図や写真、動画などの拡大表示だけでなく、テキストにマーカーや下線を付ける、テキストに関連付けてメモをとる、しおりを付ける、辞書を引く、インターネット検索する、といった操作をとてもスムーズに行える(画面2)。

 すでに、ミフリン・ハーコート社、マグロウヒル社、ピアソン社といった米国有数の教育サービス企業が「iBookstore」で教育タイトルを提供予定で、そのほとんどの価格が14.99ドル以下で販売される。

 アメリカの場合、教科書が高価なため、ボロボロになった教科書を使い回しているケースが多々ある。また、銃乱射事件などへの対策からロッカーを使えなくしている学校もあり、分厚い教科書を何冊も持ち歩かなければならず、生徒への負担になっている。

 iBooksテキストブックの登場により、紙では実現できない素晴らしい教科書を安価で購入でき、教科書を持ち歩く必要もなくなるというわけだ。

 同時に、マルチタッチブックを簡単な操作で作成できるMac(マック)版のオーサリングソフト「iBooks Author(アイブックス・オーサー)」も無料公開された。Macの「App Store」からダウンロードできる(画面3)。

 テンプレート(ひな型)が用意されているので、テキストを用意し、ドラッグ&ドロップで図や写真、動画、3Dオブジェクトなどを配置すれば完成する。実際に使ってみると、マニュアルが要らないくらい簡単に操作でき、とても使いやすいことがわかる。

 作成したブックは「iBookstore」を通して配信でき、有料での販売や無料配信が行える。ただし配信には、事前にiBookstore販売者アカウントを取得しておく必要がある。

 今回の発表に際し、アップルのワールドワイドマーケティング担当シニアバイスプレジデント、フィリップ・シラー氏は次のように述べている。

 「教育はアップルのDNAに深く刷り込まれています。iPadは、これまでで最もエキサイティングな教育製品かも知れません。すでに150万台のiPadが教育機関で使われており、そのうち1000件以上は1人1台体制で導入されています。

 iPadは、全米はもとより全世界の学校で急速に普及しつつあります。今回のiBooks 2 for iPadの提供により、学生たちは彼らがすでに愛用しているデバイスを使って、よりダイナミックで引き込まれるような、本当にインタラクティブな方法で読んだり、学習したりすることができるようになります」

無料の教育コンテンツで学ぶ

 同イベントでは、新たにアプリとして「iTunes U(アイチューンズ・ユー)」も発表された。「iTunes U」は、主要大学の講義など、膨大な教育コンテンツを無料配信するサービスだ。

 「iTines Store(アイチューンズ・ストア)」内の一コンテンツだが、独立したアプリとして提供されることで、より使い勝手がよくなった。iPad、iPhone(アイフォーン)、iPod touch(アイポッドタッチ)で利用できる。

 ケンブリッジ、デューク、ハーバード、オックスフォード、スタンフォードといった著名大学や、日本では東京大学、京都大学、北海道大学、慶應義塾大学、早稲田大学、明治大学、中央大学、関西大学の8大学が、講義のビデオなどを公開している(画面4)。

 視聴したい講義があれば、いずれも無料でダウンロードできる。日本の大学が公開しているコンテンツだけでも相当数あり、ダウンロードしておくと、いつでもどこでも時間の空いたときに視聴でき、意欲さえあればさまざまな知識を得ることができる(画面5〜7)。

 また「iTunes U」は、ウィンドウズやMac上でもコンテンツ管理ソフト「iTunes」を使えば入手・視聴が可能だ。「iTunes Store」から「iTunes U」のページを開き、気になるコンテンツがあればダウンロードして視聴しよう(画面8)。

 なお、「iTunes U」の対象が幼稚園から高校までに拡大されたため、今後はより幅の広い年齢層へ向けたコンテンツが利用できるようになるので楽しみだ。(テクニカルライター・小野 均)

2012年2月1日  読売新聞)

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