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(1)仮想空間に熱中 仕事休む一世を風靡(ふうび)したインベーダーゲームの登場から27年。家庭用ゲーム機の普及、インターネットの高速回線の普及などにより、テレビゲームなどは身近な娯楽として定着した。夢中になりすぎることの弊害を意識しながら、上手につきあっていく方法を考えたい。 ◆ 「節度をもって遊んでいるつもりだった。でも、いつの間にか深みにはまっていた」 静岡県内に住む会社員の男性(28)はインターネット回線を利用して楽しむネットワークゲームに夢中だった2年前を振り返る。 遊んでいたのは「大規模多人数参加型ロールプレーイングゲーム(MMORPG)」と呼ばれるもの。戦士や魔法使いなどのキャラクターを操ってモンスターと戦い、経験値を獲得してレベルアップさせていく。 ここまでは、インターネットを利用しない家庭用ゲーム機などのロールプレーイングゲームと同じ。しかし、MMORPGだと、ネット上の仮想空間に大勢のプレーヤーが集まり、チームを組んで強力なモンスターに挑んだり、チャット(文字による会話)で世間話を楽しんだりできる。 平日のプレー時間は多い時で6時間。休日は一日中、接続したことも多かった。ゲームをするため、有給休暇を使って仕事を休んだこともある。一緒に暮らしていた恋人は「帰ってくるなりすぐゲーム。話も聞いてくれない」と怒るようになった。男性はようやく我に返った。 約半年間に約900時間プレーした。「普通のロールプレーイングゲームなら50時間もあればクリアできる。でも、MMORPGだと、同じ時間をかけてようやく初心者じゃなくなる程度。キリがないことに気が付きました」 ◆ ネットワークゲームは、ADSL(非対称デジタル加入者線)など、常時接続しても利用料金が変わらない高速インターネット回線が普及した2002年ごろから急速に広がった。社団法人コンピュータエンターテインメント協会(東京)の推計によると、ゲーム人口は約295万人(2004年)に上っている。 MMORPGを“引退”した男性は昨年8月、「今からネトゲを始めようとしている人を止めるサイト」( http://netgamestopper.hp.infoseek.co.jp/ )を開設した。「ネトゲ(ネットワークゲーム)のすべてが悪いとは思わない。ただ、歯止めがきかない遊び方には問題がある」と男性。このサイトには「昼から朝までゲームの毎日。仕事も彼女も友達も失った」と打ち明ける社会人、「ゲームに夢中で、子どもの相手をしなかった」と後悔する主婦など400件以上の体験談が掲載されている。 共立女子大講師(メディア論)の桝山(ますやま)寛さんは「インターネットによるコミュニケーションには中毒性のある魅力がある。しかも、ゲームは娯楽のプロが手がけたものなので、楽しくて当然。新たなメディアであるネットワークゲームとつきあっていくには、魅力の裏にある負の部分についてよく知る必要がある」と話している。 (2005年5月31日 読売新聞)
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