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電気用品安全法

リサイクル社会に逆行?

業者はレンタル、輸出に活路

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PSEマークが付いていないアンプやシンセサイザーなどは、4月から販売できなくなる(東京・渋谷区の石橋楽器渋谷店で)

 電気用品安全法で定められた5年の猶予期間が終わり、4月1日からテレビや冷蔵庫、音響機器など259品目の家電製品が、安全性を示す「PSEマーク」が付いていないと販売できなくなる。特に中古家電を販売している業者は、4月から販売できなくなる製品を“駆け込み”で安売りするなど対応に追われており、「直前まで知らず、商売上がったり」と嘆く声も出ている。(豊田千秋)

■猶予期間

 電気用品安全法は、電気製品の安全性を高めるため、電気用品取締法を改正して2001年4月に施行。メーカーなどの製造事業者に自主検査などで安全性を確かめてPSEマークを付けるよう義務付けている。輸入品は、輸入事業者が海外メーカーに検査させるなどしてマークを付ける。マークのない製品の販売は禁じられるが、品目によって施行後5〜10年間は、マークなしでも販売できる猶予期間が設けられた。施行後の新製品のほとんどはマーク付きだが、中古品はマークなしも多い。

■苦悩

 ロックミュージック向け楽器の品ぞろえが多い石橋楽器渋谷店(東京・渋谷)は、1950年代に作られ、50万円もするアンプなど、プロやマニア向けの高級楽器が多い。しかし、2月1日からは、マークがない中古品の買い取りを中止。3月からは割引セールを始めた。

 販売業者でも、経済産業省に「製造事業者」の登録を届け出て、自主検査などをすれば、PSEマークを自ら付けられる。同社も2月に届け出を済ませたが、発火などの事故があった場合は責任を負うため、自主検査してまでマークを付けるか未定という。

■対策

 販売できなくなる中古品も、レンタルや無償譲渡、輸出はでき、こうした分野で苦境を乗り切ろうとする業者もある。

 全国に約220の中古品店を展開する生活創庫(静岡県浜松市)では、在庫の中古家電のうち、マークのない商品が7〜8割を占める。このため、4月以降、レンタル事業を始める方針だ。一定の保証期間内はレンタルし、期間終了後は無償で譲渡すれば、電気用品安全法の規制は受けない。

 一方、全国8か所で、業者向けに中古品オークションをしているリサイクルマスタージャパン(静岡県伊東市)は、ベトナムなどに現地法人を設立し、点検した製品をアジア各国へ輸出することを検討している。

 同社は一般家庭や企業から商品を引き取っている。「(マークがない)製造後5〜6年の製品が多い。捨てるより、海外で利用してもらいたい」としている。

■周知

 経産省は2000年度以降、メーカーや量販店などの業界団体を通じて、パンフレットの配布や講演会で周知をしてきた。しかし、リサイクル業者は個人経営が多く、十分には浸透したとは言えないようだ。担当の製造安全課への問い合わせは、1日に最高150件を数える。

 都内のホテルなどから中古家電を引き取り、業者に卸している小川浩一郎さんは、「2月にPSEマークを知ったばかりだ。同じ境遇の業者はたくさんいる。政府は大量の粗大ごみが出てもいいのか」と話す。2月に同業者らと「PSE問題を考える会」を結成し、代表として猶予期間の延長を訴えているが、経産省は「4月1日に向けて準備してきた業者もあるので、延長はできない」と、延長に消極的だ。

PSEマーク
 「Product Safety of Electrical Appliance and Material」の略。電気温水器など基準が厳しい特定電気用品(112品目)にはひし形のマークを、それ以外の電気用品(338品目)には丸形を付ける。

2006年3月7日  読売新聞)
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