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BS・CS 地上波並み調査、システム未整備BSデジタル放送の普及が、1500万件を突破した。今春、携帯電話向けの地上デジタル放送「ワンセグ」が始まったが、有料のCSデジタル放送も含めて、これらの放送は局別の視聴率調査の対象とされていない。放送のデジタル化が進展する中で、視聴者の新たな動向や視聴実態をどうとらえればいいのか。 ◆「その他」で一括 サッカーW杯ドイツ大会で12日、日本は豪州に逆転負けを喫した。ビデオリサーチの調べでは、この試合を生放送したNHK総合の視聴率は49・0%(関東地区)に達したが、テレビで観戦した人々はこれだけではない。NHKの衛星第1、BSハイビジョンでも生中継されたからだ。 ビデオリサーチがはじき出す視聴率は、テレビ神奈川などの独立UHF局を除く地上波テレビ局の番組。BS・CSデジタル放送やCATV(ケーブルテレビ)の独自放送は、「その他」と一くくりにされ、数字も公表されない。 もっとも、業界関係者によると、12日夜9時台の「その他」は5%弱だが、10時開始の日本対豪州戦の時間帯は7〜8%台に上がっていた。NHKのBS放送で楽しんだ家庭の動向がうかがえる。 2000年末にスタートしたBSデジタル放送の普及は、対応する受信機器が1098万台、CATV経由の受信世帯が448万に上る(先月末、NHK調べ)。多チャンネルを売り物とするCSデジタル放送の加入件数は、直接受信とCATV経由で計1000万件を超えている。 多チャンネル化が着実に進む今、「その他」は増えているのか。関係者は「全日(午前6時〜深夜0時)が平均2〜3%、ゴールデンタイム(夜7時〜10時)が4%未満。2000年に比べると、それぞれ1ポイント程度上がっている」と明かす。1%とはいえ、関東地区では約17万世帯に当たるので、無視はできない。 ビデオリサーチは「『その他』の内訳を出していないのは、BS・CSデジタルなどがまだ個別の視聴率を集計するほどには普及していないから。もっと広まった段階で対応できるよう準備しているが、新しいメディアへの調査を導入するには業界の合意が不可欠」という立場だ。 ◆NHKは日記式で 一方、NHKは「世帯視聴率」ではなく、個人を対象にして、視聴した番組を記入してもらう日記式の「個人視聴率」調査を全国で実施している。1989年、世界で初めて衛星放送の本放送を始めた後、調査項目に衛星放送も加えた。2年前から年2回の回数を4、5回に増やした。 昨年6月の調査結果を見ると、BS放送を受信できる人は対象の約4割。このうち衛星第1の接触者率(週にそのチャンネルの番組を少しでも見た人の割合)は26・8%、衛星第2は27・4%、ハイビジョンは6・8%、民放系は合計17・0%となる。 個別番組の視聴率トップは、衛星第1でサッカーW杯アジア最終予選・北朝鮮対日本戦の9・7%、衛星第2では、総合テレビより早い朝7時半から放送される連続テレビ小説「ファイト」の6・9%だった。テレビ小説の人気はもはや、総合テレビの視聴率だけでは判断できない。 NHK放送文化研究所の三矢恵子副部長は「『冬のソナタ』がヒットして以来、衛星第2では韓流ドラマの人気が高い。BS放送を見る人は能動的に番組を選び、口コミで話題を広げるなど情報発信力も強い」と分析する。 ◆民放系も独自に 無料放送の民放系BS5局も昨年6月、BS受信世帯を対象にして、初めて接触率などを共同で調査した。広告媒体としての存在感をアピールするためだ。この「BSパワー調査」によると、ゴールデンタイムの平均接触率は5局合計で10・4%、1日の平均接触時間は57分だった。 BS日本の小林昂(たかし)社長は「パワー調査を始めてビジネスがしやすくなり、営業の数字にも反映されている」と認めながらも、「調査回数が少ないので、個々の番組の数字を出す段階ではない。今度は曜日別に調べ、局別に出すのはその先の話。地上波のような機械式調査は、まだまだハードルが高い」と漏らす。 「普及は年内に2000万の大台を超える見込み。番組のジャンルや視聴者の年齢層も広がり、新しいメディアとして認知されてきた」と語るのは、BSデジタル放送推進協会の中山壮介理事だ。 いつの日か3000万、4000万世帯に浸透した場合も、地上波テレビに対する「準基幹メディア」の地位にとどまっているだろうか。答えは、接触率や視聴率に表れる視聴動向にかかっている。
(2006年6月28日 読売新聞)
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