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グーグル、携帯向け無償OSで覇権狙うインターネット検索最大手の米グーグルは5日、携帯電話事業に本格参入すると発表した。基本ソフト(OS)などの主要ソフト群「アンドロイド」を無償提供する。 携帯電話端末の開発コストが下がり、消費者にとっては、端末の価格が下がり、複数の通信事業者のサービスを利用できるようになる可能性がある。開発には、世界有数のIT(情報技術)・通信大手など33社が参画を決めており、世界の市場に大きな影響を与えそうだ。(河野越男、ニューヨーク 池松洋) 自社サイト接続で広告増を狙うグーグルは、自社のOSを利用する通信事業者などを拡大することで、応用ソフトなどを通じた自社サイトへの接続数を一気に増やし、広告収入などの収益増につなげる事業モデルとみられる。 かつて米マイクロソフトがOS「ウィンドウズ」をテコにパソコン市場での覇権を握った戦略とはソフトを無償提供・公開する点で異なるが、携帯端末向けのソフト市場でシェア(占有率)を一気に拡大する構想だ。 高機能携帯電話向けのOSは、英シンビアンが世界シェアの7割を占める。携帯電話端末で最大手のノキアが筆頭株主だ。これを、米マイクロソフトや無償OS「リナックス」が追う構図となっている。 グーグルのエリック・シュミット会長兼最高経営責任者(CEO)は5日、「このプラットホーム(規格)は、何千種類もの異なる携帯電話を動かすことになる」との声明を発表した。 ネット検索のシェアで6割を占める上、今回、OSの開発に、米インテルやモトローラ、NTTドコモ、KDDIなどの参画を得て、先行組を追撃する態勢を整えた。 グーグルの戦略の背景には、IT機器の主戦場がパソコンから携帯電話に移りつつあることがある。携帯電話が高機能化し、動画再生やパソコン用サイトの閲覧など、パソコンとの技術的な垣根が低くなったからだ。 パソコンの世界出荷台数は増加しているが、2007年の見込みは約2億5000万台だ。一方、携帯電話機は約11億台で2けた増を続けている。米パソコン大手アップルが今年6月、携帯電話「iPhone(アイフォン)」を発売するなど、IT業界は携帯電話事業への傾斜を強めている。 消費者には端末価格安くなる利点も携帯電話端末のメーカーにとっては、開発コストの節約につながる可能性が高い。通信事業者のOSが異なる現状では、各事業者向けの応用ソフトを開発しなければならず、「上位機種を一から開発する際の費用は100億円」(大手メーカー)との声もあるほど、経営の負担になっている。 アンドロイドが普及すれば、応用ソフトの大部分を共通化できる。 また、通信事業者では、ソフトが無償提供のため、「データ通信速度が速い第3世代の通信方式が世界に広がる」(ドコモ)期待がある。 携帯電話からの接続に対してサービスやソフトを提供する事業者も新サービスの開発に伴う投資負担が軽減されるため、新規参入しやすくなる。 一方、消費者にとっては、端末の価格が安くなる利点のほか、OSが異なることで生じていた制限が小さくなりそうだ。 技術的には、ドコモの電子マネー、「iD(アイディ)」など、通信事業者を替えると利用できなくなっていた少額決済サービスも、通信事業者を選ばずに利用できるようになる。 普及が進むにつれて、取り込めるソフトの種類も増えそうだ。 (2007年11月7日 読売新聞)
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