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使用済み携帯、都市の鉱山…金属リサイクル本格化回収率向上が課題希少金属(レアメタル)の高騰を背景に、「都市鉱山」が注目を集めている。使用済みの携帯電話やパソコンはレアメタルを含んでおり、これらは都市に多く存在するため、都市に眠る「鉱山」と例えられる。ただ、携帯電話の回収率は低下しており、「宝の山」からレアメタルをうまくリサイクルするには、課題も多い。(大塚健次、写真も) 埼玉県本庄市の金属回収会社「エコシステムリサイクリング」。敷地面積6000平方メートルの工場の入り口には、パソコンやテレビなどの家電製品に使われた電子基板のスクラップや、中古の携帯電話を積んだ大型トラックが列を作る。 工場内にずらりと並んだドラム缶には、むき出しの基板が満タンに詰められている。作業員は金づちなどを使って電子機器を解体し、基板部分を取り出す。 同社は、非鉄金属大手DOWAホールディングスのグループ会社で、メーカーから買い取った電子基板などから金を抽出する技術を持つ。基板の表面から金をはぎ落としたり、薬液につけて溶かしたりして抽出し、1100度以上に熱した釜から鋳型に流し込まれる。再生された金は純度99・9%。まとめて3キロ・グラムの延べ棒に鋳造する。価格にすると1000万円近くになり、主に金の流通市場に売っている。 1万台から金300グラム携帯電話1台からは0・03グラムの金が抽出される。携帯1万台に相当する1トン分では、約300グラムにのぼるという。金鉱山の鉱石から採れる金は1トンあたり5グラム程度しかなく、「都市鉱山」は、普通の鉱山に比べても良質な「山」だ。 国内には、現在使われているものも含めて1億5000万台の携帯電話が存在し、全体で3〜4トンの金が含まれている計算だ。パソコンの基板なども加えれば、さらに多くの金が眠っている。 レアメタルただ、金の抽出は進んできたものの、様々な製品に使われるインジウム、タングステンなどのレアメタルは、量が少なすぎて回収が難しいのが現状だ。実際にどの金属がどれくらい製品に使われ、回収されているかなど、レアメタルの流れは政府も把握しきれていない。 携帯電話にしても、使用済みの回収台数が年々減少している。電気通信事業者協会などの調べによると、回収台数は2000年度の1361万台をピークに減少し、06年度は662万台に落ち込んだ。 NTTドコモは、「メールや画像などの記録を思い出として、消さずに持っていたいと考える利用者が増えているためではないか」(社会環境推進部)と分析する。 ドコモは自社のショップ以外にも、昨年11月から量販店に、今年6月からは一部のコンビニに携帯電話の回収箱を設置したが、目に見えた効果は上がっていない。 経済産業省は昨年度から、液晶パネルや自動車などの7種類の製品に使われる資源の流れを調べており、金属別にリサイクルの仕組み作りを急いでいる。 日本メタル経済研究所の細井明・主任研究員は、「家電リサイクル法で定められた冷蔵庫やエアコンなどの対象以外の製品を、うまく集める手法が必要だ」と述べ、法制化も含めたレアメタルのリサイクル体制作りを求めている。 (2007年12月11日 読売新聞)
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