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都市豪雨 メールで即応

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東京・杉並区が8月30日夕方に配信した「災害・防災情報メール」

 局地的に豪雨が降ることによって発生する都市型水害。その被害を最小限にとどめるために、自治体が防災情報のメール配信に力を入れている。河川の水位情報などを即時に住民の携帯電話などに配信するもので、上手に活用することで、大きな効果が得られそうだ。(小野仁)

 「近くでカラオケをしている間に急に雨が降り出し、歩いて5分ほどの家に戻る途中の道は、腰まで水があふれていた。家では畳から水がしみ出していた」。地域の防災活動にたずさわる米山栄郎(しげお)さん(67)は、2005年9月4日夜に発生した東京・杉並区の大雨被害の様子をこう語る。「今は区役所が防災情報のメール配信を始めたので活用している。とても貴重な情報だ。屋内にいると、近くの川の水位など外の様子が分からないのですから」と強調する。

 米山さんの言うメール配信とは、杉並区が06年7月から始めた「災害・防災情報メール」のことだ。

 自治体のメール配信は、登録した住民の携帯電話などに、防災や防犯情報を配信するサービス。登録は無料だが通信料を負担する。防災情報の配信は、気象庁が発表する大雨警報などを流す場合が多いが、独自のデータを、すばやく配信する自治体もある。

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8月29日未明の豪雨で、道路上からも雨水が激しく流れ込み、濁流となった東京都八王子市内の川。都市型水害は、雨水が地中にしみこまず、河川や下水に集中しやすい=上甲鉄撮影

 杉並区もそうした自治体の一つ。雨量は12か所で、水位は3河川18か所で、それぞれ常時計測しており、雨量が10分で10ミリを超えた場合や、区が河川の各地点で設定する警戒水位を超えた時などにメールを配信する。登録者(件数)は、昨年9月時点で約2900件だったが、今年は突発的な豪雨が多いことなどもあって8月末時点で約5100件となった。

 防災情報をメールで配信する試みは、横浜市が2000年に、気象庁の警報などを試験的に配信したのが始まりとされる。水害防止に向けた独自の情報配信の先駆けは、2002年に導入した福岡市。水位や雨量が一定の基準を超えた場合にすぐに配信するシステムを作った。

 東京・世田谷区では05年末から、中野区では07年から防災情報メールを配信。06年から配信を開始している港区では、外国人居住者に対応し英語版も作っている。

 04年に豪雨を経験した新潟県内では、独自の基準で策定した避難準備情報などを配信する自治体がある。

 一方、民間会社でも配信を始めている。ウェザーニューズ(東京・港区)は登録が有料の「ゲリラ雷雨メール」の配信を今年7月末から始めた。全国7000人の情報提供者が局地的な積乱雲の発生や発達状況の情報を同社に送り、メールで配信する仕組み。全国で4万人が登録している。

 東洋大教授の中村功さん(災害情報論)は「情報が素早く伝われば、避難や浸水対策にいち早く対応できる。ただし、メールの登録件数は伸び悩んでいる。自治体は住民にもっとPRすると同時に、コミュニティーFMの緊急放送など他のメディアも使い、幅広く情報を提供することが大事だ」と指摘している。

都市型水害
 短時間で局地的に起きるのが特徴。気象庁のアメダスによると、1時間の降水量が50ミリ以上の豪雨は、1988〜97年に全国1000地点当たりで平均177回だったが、1998〜2007年には年238回と増加傾向にある。
2008年9月3日  読売新聞)
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