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音楽配信元年に一石投じる著作権問題――iPodなどに新たな補償金を要求

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日本音楽著作権協会理事長の吉田茂さんら、音楽関連7団体の理事長が声明発表

 iPodに代表される携帯音楽プレーヤーは、楽曲を手軽に録音できる反面、コピーの蔓延を招いている。こうした事態に音楽関連団体が危機感を募らせ、新たに補償金制度を求める動きが活発化してきた。

 著作権法に基づき「私的録音録画補償金」の対象に加えようとの主張だ。

 この補償金制度は、家庭内などでの私的なコピーに対して、デジタル方式の録音、録画機器やCDなどの記録媒体に補償金を課して、著作権料を補うというもの。日本音楽著作権協会(JASRAC)や日本レコード協会など関連7団体が7月末、iPodなどへの補償金を課すよう声明を発表し、著作権保護を訴えた。

 音楽業界が危惧している背景には手軽にコピーが可能になったデジタル技術の進歩に著作権保護が追いつかないというジレンマがある。

 著作権法30条は、個人的にまたは家庭内などに限られた範囲内なら、著作物を複製できると定めているが、1992年の著作権法改正法で、私的録音録画補償金制度が日の目をみた。音楽用CD−RやDVD−R、MDなどのディスクと録音機器が補償金の対象となった。

 ところが、その後、iPodなどの携帯音楽プレーヤーの利用者が爆発的に増えているにもかかわらず、これは著作権法が定めた補償金の対象外。こうした機器を使った複製が増えた結果、私的録音補償金の収入が減少してしまった。平成12年度の約38億をピークに、同15年度では約22億円(私的録音補償金管理協会)と減り続けている。

 声明を発表した日本音楽作家団体協議会理事の川口真さんは、「著作権を尊重する考えが後退している」と訴え、携帯音楽プレーヤーなどを対象にするべきだと強調した。

 補償金額は、具体的には決まっていないが、機器が録音できる容量によって金額を決める方法を検討しているという。

一律課金は不適切と反発も

 一方、世界65以上の国や地域でソフトの不正コピー問題などに取り組む、ビジネスソフトウエアアライアンス(BSA)や社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA)は、音楽以外のいろいろなデータを記録できるハードディスクや携帯音楽プレーヤーに対して、一律課金するのは不適切だと主張した。

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「音楽用」と記されたCD-Rなどには私的録音補償金が上乗せされている

 また、音楽配信などで著作権料が既に価格内に含まれているコンテンツに対して、さらにコンテンツを保存する機器に補償金を課せば二重徴収に当たると指摘した。

 さらに、BSAは、補償金を支払ったということで、「複製する権利を得た」と間違った考え方を蔓延させてしまうと批難している。

 そこで、BSAとJEITAは、不正コピー防止技術などの「デジタル権利管理」(以下、DRM)を利用し、コピー回数などを制限する方法を提案。そのため、補償金制度そのものの見直しを求めており、権利者側と真っ向から対立した。

 権利者側の日本芸能実演家団体協議会理事の椎名和夫さんは、IT業界側の主張にこう反論した。

「DRMがあっても、私的録音はなくならない。仮にユーザーの使い方に合わせた課金ができるようになっても、DRMの開発コストは膨大となり、消費者に大きな負担となる」という。二重徴収については、「音楽配信業者やCDレンタル業者へ許諾した範囲と私的録音の範囲は別のことなので、一緒に考えるべきではない」と反発した。

 両者の対立は平行線のままだが、この問題が、ユーザーへの負担が大きくなるだけという決着をみるのは避けたいものだ。(笠原大輔)

2005年9月1日  YOMIURI PC)
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