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一人勝ちiPodに関連商品ラッシュ――“数”だけでなくブランドイメージも魅力携帯音楽プレーヤー市場で一人勝ちを続けるアップルコンピュータのiPod。その人気を象徴する現象が、高級外車BMWのディーラーで起きていた。最高級の7シリーズを購入しようとした客が、契約前にiPodを車載オーディオに接続できないことに気づいた。そこで格下の5シリーズに車種を変更したというのだ。 「今や車がiPodの付属品になったのです」(アップル関係者)。 iPodの独走が止まらない。世界での累計販売台数は4200万台に達し、音楽配信サービス「iTunes Music Store」では8億5000万曲を販売した。 商品は1000種類以上にも向かうところ敵なしの存在感は、音楽以外の業界に「iPodエコノミー」と呼ばれる波及効果をもたらしている。今や関連商品はケース、スピーカー、イヤホン、ソフトなど1000種類以上にも上り、ますます増えそうな勢いなのだ。 アップルでは「関連商品の発売、開発はサードパーティーの業者に任せる方針」(鈴木正義広報課長)なので、同社が製造しているのはケースやアームバンドなどわずか4種類だけ。中でもケースについては、本体の寸法・仕様をホームページで公開しライセンス料をとらずに自由に発売を許可しているためか、商品の種類が最も多い。日本の家電メーカーでは考えられない開放的な方針が、iPodエコノミー拡大の原動力といえるのだ。 iPod頼みはソフト業界でも同じこと。第3〜5世代iPodのメモ機能を利用し、テキスト表示可能をうたい文句にした語学教材も数多く販売されている。例えば「iPodでどこでも英会話」(ホロン)は、通勤電車の中でもディクテーション(書き取り)ができる携帯性をアピール。発売後2週間で約1万本を売るヒットとなった。学習研究社もiPod用の中国語、韓国語の教材をダウンロード販売している。 ファッション性も評価された異業種がコバンザメのようにiPodに群がる理由は、数の魅力もさることながらブランドイメージにもよる。エルメス、プラダ、ルイ・ヴィトン、グッチなどの高級ファッションブランドの多くがiPod用ケースを販売する。「自社のブランドを損なう製品は作らないはずで、機能性よりファッション性が評価された」(鈴木さん)と分析する。 カーオーディオの世界でもiPod旋風は吹き荒れる。車の見積もり価格などをネットで比較するオートバイテルのアンケート調査結果によると、カーオーディオやカーナビを持っていない人の約3割が、iPod対応オーディオの搭載が新車購入時のポイントになると答える。 車載オーディオを国産車で初めてiPod対応のメーカーオプション品としたのが日産自動車だ。対応車種は若者向けの特別仕様用「ウイングロード ライダー」。グローブボックス内のケーブルにiPodをつなげばカーナビ画面がタッチパネルに切り替わり、選曲操作などができる。FMラジオに音声を飛ばすFMトランスミッターよりもはるかに音質がよい。同社マーケティング・ダイレクターの中澤千代子さんは「iPod対応車種の販売は、当初の予測台数を70%も上回っています」と手応えのよさを語る。06年には国内販売の約3割の車がiPod対応になると見られており、日産も対応車種をノーツ、キューブなどに拡大する予定だ。 携帯プレーヤーのデファクトスタンダート(事実上の標準)となったiPodに死角は当分見当たらない。勝ち馬に乗るための関連商品の発売ラッシュは当分続きそうだ。(編集部 林 宗治/2006年1月24日発売「YOMIURI PC」3月号から) (2006年1月26日 YOMIURI PC)
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