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「光」普及とファイル交換ソフトで回線渋滞――ニフティが総通信データ量の制限を実施昨年から今年にかけてファイル交換(P2P)ソフト「ウィニー」での情報流出が相次いだ背景には、実は光ファイバー回線によるネット接続利用者の急増があった。高速の「光」回線により、大容量データをやり取りするファイル交換ソフトが、飛躍的に使いやすくなったのだ。 「光」の普及とファイル交換ソフトのドッキングは、新たな弊害も生んでいる。長時間にわたって大容量ファイルがダウンロードされるため回線が占有され、一般の利用者から「ネットにつながりにくい」という苦情がプロバイダーに寄せられ始めたのだ。 サービス低下を招きかねない深刻な事態を前に、プロバイダー大手、ニフティはファイル交換ソフトの利用制限に乗り出した。 回線が占有され速度が低下「光」回線の利用者が急増しているのは総務省の調査でも明らかだ。06年3月末の「光」契約数は約545万件と、初めて500万件を突破した。昨年3月末に比べて約256万件(約88%)もの増加だ。一方、ADSLは1451万件で6・2%増にとどまっている。 「光ユーザーが昨年あたりから増加するとともに、トラフィック量(回線を流れるデータ量)が1けたはね上がったのです」と語るのはニフティ事業推進部長の林一司さん。調査の結果、ウィニーやWinMXといったファイル交換ソフトで通信帯域が占有されたのが原因であることがわかった。 通信帯域とは、回線を流れるデータ量のこと。例えば1Gbpsの回線なら、単純に1Gbps分の帯域がある計算になる。しかし、「その場合、5、6割程度の500〜600Mbpsがデータがスムーズに流れる適正値なのです」と林さん。つまり、道路が渋滞すると車のスピードも落ちるのと同様、回線内のデータ量が多すぎると通信速度は低下することになる。 ニフティによると、通信量が増え始めるのは午後7時ごろから。そして1Gbpsの回線の場合、容量の実に50%に当たる約500Mbpsの通信帯域がファイル交換ソフトの使用で占有されるという。しかも占有時間は5〜6時間にもなる。一般利用者の通信帯域は400Mbps程度くらいで、回線の総トラフィック量は合わせて900Mbpsにもなり、速度低下が著しくなる。 ウイルス被害の減少も期待ニフティの対策はこうだ。ファイル交換ソフトの利用者に的を絞り、200Mbpsの通信帯域までしか利用できないようにする。一般利用の400Mbpsと合わせてピーク時における回線の総トラフィック量を600Mbpsに抑え込むことで!)b渋滞!)aを回避する。技術的には可能で、当面は東京都など関東の1都6県で実施し、今年中に全国に規制範囲を広げる。 この措置で同時に期待できるのが、ウィニーでばらまかれる暴露ウイルスの感染防止だろう。昨年から今年にかけて、アンティニーと呼ばれる暴露ウイルスが猛威を振るい個人や企業の情報が流出して社会問題になった。「光」回線の普及によるファイル交換ソフトの長時間使用が、被害拡大を助長したことは明らかだ。 「ウィニー」シフトを敷き始めたのは、ニフティだけではない。ぷららネットワークスは7月19日から「光」を利用する全会員を対象にウィニーを使用した場合、通信が自動的に遮断されるようにした。ただし、総務省が「通信の秘密を侵害する」と指摘したため、利用希望者は規制を解除できるようにもした。 ニフティでは、「ウィニーを使うのは、お客様個人の自由なので規制はしません。ただし、(長時間使用の)特殊な使い方でネットワーク全体に支障が出ないようにするのがプロバイダーの責務」(林さん)と、帯域制限という間接的な制限方法を採る理由を語る。 ウィニー被害は「個人の利益」と「最大多数の利益」を、どうバランスを取るかという問題も突きつけている。(林 宗治・編集部/2006年7月24日発売「YOMIURI PC」9月号から)
(2006年8月24日 YOMIURI PC)
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