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高速LAN製品が登場――規格の確定は来夏か?「IEEE 802.11n」vs.「PLC」…次世代ネットワークの本命は?大容量ファイルをやり取りできる高速のLAN規格として最近登場し、注目を浴びているのが、無線による「IEEE 802・11n」と、電力線を使う「PLC」だ。つながらない、遅い……という従来のLANの悩みを解決する規格として期待を集める。ただし、慌てて飛びつくのは禁物。新規格ゆえの課題も多い。 現在、インテルやマイクロソフト、そしてパソコンメーカー、さらにはAV家電メーカーさえも、ホームネットワークの普及に力を入れる。家庭内LANで、サーバーに蓄積した映像や写真、音楽などを、各部屋のテレビやパソコンで楽しむ、ゲーム機やDVDレコーダーなどの家電製品をつなぐ、といった使い方を提案している。 このとき、重要なのがLANの通信速度だ。高画質映像を流すには25Mbps以上の速度が必要だ。LANケーブルを各部屋に張り巡らせることができれば問題ないが、配線工事が難しいといった理由で多くの家庭では無線LANを使うことが多い。その実効速度は20Mbps前後で、高画質映像を流すには力不足だ。 そこで注目を集めているのがIEEE 802・11n規格の無線LANと、電灯線を使う新顔LAN規格「PLC(電力線通信)」だ。 機器メーカーが示す実効速度はIEEE 802・11nが60〜80Mbps、PLCが55〜80Mbpsで、どちらも高画質映像を流すのに十分な速度だ。両製品とも店頭に並ぶが、問題点を指摘する声もある。 暫定規格の802・11nまず、IEEE 802・11n機器だが、現在販売中の製品は暫定的な商品なのだ。無線LANの規格はIEEEという団体が決めるが、IEEE 802・11nは現在「ドラフト1・0」という暫定規格の段階。店頭商品もドラフト1・0準拠だ。まもなく「ドラフト2・0」が決まり、07年末から08年にかけ、正式規格が決まる見通しだが、ドラフト1・0製品と正式規格製品がつながるかどうかはわからない。 さらに、現製品が使用する2・4GHz帯以外に、対応する周波数域が広がることが予想される。というのも、電波関連の法令改正(07年前半)で、5GHzに対応し、さらに広い周波数幅を生かした、より高速なIEEE 802・11n機器が出てくるからだ。したがって、現行商品を親子セットで使い続ける分には問題ないが、将来、ノートパソコンを買ってきたらIEEE 802・11n規格で親機とつながらないという事態が起こり得る。 規格が乱立するPLCPLC通信用の専用アダプターは、100BASE―Tのイーサーネット端子を持つ小箱で、電源プラグをコンセントに挿すだけでLANを構築できるという機器だ。 第1の課題は通信速度。電気配線の状況や、コンセントにつながっている家電機器によって大きく変わる。メーカーの説明は55〜80Mbpsだが、環境次第では10Mbps以下まで落ちたり、つながらないこともある。環境の影響を受けるのは無線LANも同様だが、PLCの場合、簡単に電気配線をいじるわけにもいかず、トラブル時の対策は限られる。 もう1つの課題は互換性だ。国内第1号として松下電器産業が発売したPLC機器は、「HD―PLC」という規格に準拠している。PLCにはこのほかにも主な規格だけで2つあり互換性はない。互換性がないだけでなく、同時に使うと相互干渉で通信が途絶することもある。今後、メーカーは標準化を進めるとしているが、一方で、技術を囲い込みたいという思惑も見え、無線LANのような標準化は難しそうだ。 どちらも気になる製品だが、待てるなら、せめて07年夏くらいまでは、動向を見守った方がよさそうだ。(南部健司・フリーライター/2006年12月24日発売「YOMIURI PC」2007年2月号から)
(2007年1月11日 YOMIURI PC)
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