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グローバル化維新

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第23回 社内公用語は中国語の時代が到来!?

筆頭株主の蘇寧電器の下で、銀座初の家電量販店として松坂屋銀座店内にオープンしたラオックス(2010年11月)

 中国系企業が、豊富な資金力で、経営難の日本企業を傘下に収める例が増えている。日本企業の技術やブランドは、中国人のあこがれの的で、巨大ビジネスの種となりうる。英語どころか、油断していると、中国語が必須になり、北京の本社への赴任を求められる。そんな時代がやってきた。グローバル化に背を向けて引きこもっていても、いや応なしに、世界の荒波にもまれるのだ。

ラオックスは中国系企業として本土進出

 8月末、家電量販店のラオックスは中国家電量販大手「蘇寧電器」グループの子会社となった。同社は2009年に経営不振から蘇寧電器の傘下に入り、中国人観光客向け免税店を中核ビジネスとして再建を進めてきた。

 しかし、東日本大震災で中国人観光客が激減。一転、蘇寧電器のグループ企業として中国に進出することになった。今後5年間で、北京や上海など中国25都市に150店を出す方針だ。

 秋葉原を訪れた中国人観光客にとって「ラオックス」はおなじみのブランドだ。中国にいながらにして、その「ブランドショップ」で、日本の家電ブランド製品が買える。アフターサービスや買った商品が中国で使えるかどうかも気にする必要がない。これは魅力的だ。蘇寧電器にとっても、ラオックス・ブランドを中国で展開できるのは大きなメリットがある。

 一方で、ラオックスの従業員には動揺が広がっている。すべての従業員が語学力に関係なく、中国へ赴任する可能性が出てきた。ラオックスの羅怡文社長はインタビューに
 「語学力に関係なく、いつでも中国に行けるように全社員に心構えを求めている」と答えている。

 国内流通業という日本ローカルな仕事を選んだはずなのに海外、しかも中国への転勤。
 「若ければともかくこの年齢で中国赴任はつらい」と思った従業員も少なくないはずだ。会社を去った者もいるという。

富裕層ターゲットにする日中企業

徐 向東さん
中国市場戦略研究所 代表取締役。1967年、中国大連生まれ。中国進出を考える日本企業に対して市場調査やコンサルティングなどのサービスを提供。上海と東京を往復する日々。

 「ラオックスのような例は増えると感じている」

 この連載の第1回目に登場してもらった中国市場戦略研究所の徐 向東さんはこう予測する。

 徐さんは中国に進出する日本企業に対して、市場調査やコンサルティングなどのサービスを提供している。そんな徐さんが最近、感じていることが2つある。

 小売業、サービス業、教育産業など、これまであまりつきあいの無かった日本企業から中国進出の相談を受ける機会が増えたこと。そして、中国企業から「こんな日本企業と手を組みたい」という相談が寄せられるようになってきたことだ。

 この2つの動きは表裏一体だという。

 背景には中国人の生活水準の向上がある。北京、上海にマンションを所有する富裕層には、不動産価格の上昇で億単位(円)の資産を持つ者が少なくない。大都市に暮らすだけで十分な資産を持つにいたった富裕層は、マイカー、健康・美容、ファッション、教育などにお金を使い始めた。日本ブランドは安心・安全の象徴として、人気が上がるばかりだ。

 発展しているのは沿海部の大都市だけではない。インテル、IBMなどが進出した中国内陸部の都市でも急速に消費水準が向上、安心・安全を求める豊かな中間層が台頭しつつある。

 新しい個人消費者を獲得すべく、多くの日本企業が中国に殺到している。今は中国企業との合弁、または中国企業を買収しての進出が主流だが、あと2〜3年もすれば、ラオックスのような形で進出するケースも増えるだろう。徐さんはそう予測している。

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