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RSS広告で勝負 「WEB2.0」に成功の鍵?

 ネットビジネスの成功例に共通する原則として、「WEB2.0」なるものがにわかに注目を集めている。今年4月に設立された「RSS広告社」も、その原則に沿った手法を推進、順調に事業を広げている1つだ。田中弦社長にその「原則」を聞いた。

「成功マニュアル」ではない

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田中 弦  たなか・ゆづる
RSS広告社代表取締役社長
 1999年、ソフトバンクに入社し、ブロードキャスト・コム社(現在はヤフーと合併)の創業に参画。ウェブ制作会社、経営コンサルティング会社を経て、2004年5月に新規ネットビジネス起業を手がけるネットエイジに入社。05年4月にRSS広告社設立。ネットエイジの持ち株会社であるネットエイジグループ社の執行役員も務めている。
―― 最近、「WEB2.0」という言葉をよく聞きます。

田中 「WEB」はホームページを実現する基盤技術です。「2.0」というのはソフトウエアのバージョン(版)になぞらえたもので、もともとは製品の機能や性能が上がり、第1世代から第2世代に進化した場合に使われてきました。

 では、WEB2.0が、世代交代した新製品かというと、そうではありません。変わったのはネットビジネスを成功させる手法で、その原則をWEB2.0と呼んでいるのです。

 WEB2.0は、ネットビジネスの変化を総称するために2004年ごろから使われ始めましたが、05年9月に、あるコンピューター関連出版社の代表が「利用者が使えば使うほど便利になる」などといった原則を論文として発表したことで、もやもやしていた議論が整理されました。

―― どのような原則でしょうか。

田中 まず、ネットの世界の大きな環境変化を指摘しておきましょう。

 例えばブログ(日記風簡易型ホームページ)を持つ人々は急増中で、総務省の統計によると、05年9月時点での国内の開設者は473万人でした。1人3ページずつ持ったとすると、合計1400万ページになります。たった数年でこれほどページ数が増えたことはありません。

 以前なら、ウェブサイトの大半は分類された上、ポータル(玄関)サイトというところにリストアップされていました。しかしこれだけ増えてしまうと、人手による分類作業は不可能です。ネットの構造は多極集中から非常に分散したものに変わったのです。

―― 環境が変われば、ビジネスの形も変化しそうですね。

田中 ええ。そうした中で成功を収めたネットビジネスの原則が、WEB2.0なのです。

 いくつかの原則がありますが、その一つが、ユーザーの声の利用です。

 会員の紹介で参加できる「ソーシャル・ネットワーキング・サービス」というものの機能に、本やCDの批評を他人に公開する仕組みがあります。この、より親しみを感じる相手の意見を集積して他の人の購買意欲を刺激する、という手法がうまく働いています。

 企業にとって貴重な財産であるデータベースを開放する業務形態もあります。

 例えばネット販売大手の「アマゾン」は、商品データベースを誰もが使えるようにし、個人のブログなどにも売り場の窓口を大量に設けることに成功しました。各ブログの売り上げは小さくても、集積すると大きな金額になります。これも、WEB2.0の原則なのです。

―― ご自身の会社も、WEB2.0に従っているのですか。

田中 はい。しかしそれは結果であって、従おうと考えたわけではありません。

 WEB2.0は、あくまで事業を運営する際の手法であり、必ず成功するマニュアルのようなものではないのです。成功した企業に共通して見られる原則集に過ぎず、場合によっては取り入れない方がよいビジネスもあるでしょう。

2006年1月5日  読売新聞)
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