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“リアル”に楽しむ麻雀ゲーム、会員35万人
栢 孝文 かや・たかふみ
1975年、大阪府豊中市生まれ。99年大阪市立大大学院情報工学修了、セガ入社。ソニー・コンピュータエンタテインメントを経て、2002年に「クリエイターの理想郷」を旗印にシグナルトークの前身会社を設立。 オンライン麻雀ゲームのよさは、一人でも自宅にいても、パソコン一台で麻雀(マージャン)の対局を楽しめる点。 中でも、リアルさを徹底的に追求した「Maru−Jan(マルジャン http://www.maru-jan.com/)」は、有料ながらサービス開始から4年半で、会員数が35万人を超えた有数のゲーム。シグナルトーク社の栢孝文社長は、麻雀の負のイメージを払拭したかったと語る。 ――Maru−Janの特徴を教えてください。
栢 麻雀牌(パイ)の質感はもちろん、牌を卓に打ち付ける音や、点棒のやりとりにいたるまで、現実の麻雀卓に限りなく近づけたつもりです。音は本物の全自動麻雀卓を持ち込んで収録し、牌の混ざり具合も実際に動かして傾向を分析、再現しました。オンライン上の対局者と、本当に卓を囲んでいるような気分が味わえると好評です。 ――開発の動機は何ですか。
栢 私自身、学生時代から麻雀が好きで、一緒に開発したスタッフも麻雀好きばかり。ただ、世にある麻雀ゲームは、雷鳴が響くなど仮想ゲームにありがちな表現が多く、リアル感に欠けていました。そういうものとは一線を画し、本物の麻雀がライバルとなるようなゲームを作ろうと考えたのです。 ――利用者はどんな方が多いのですか。
栢 40〜60歳代が全体のほぼ半数を占めています。若いころ麻雀に夢中だった人たちが、パソコンを通じて再び卓に戻ってきた形です。操作をできるかぎり簡単にした点がよかったのでしょう。毎日1万人がログインし、少ない時でも1000人が同時に対局しています。プレイ時間の短い「東風戦」なら一対局20分ほどで、ちょっとした空き時間でも楽しめます。家事の合間に気分転換に遊んでいる人も多いようです。 ――若い世代が多いオンラインゲーム一般とはずいぶん違いますね。
栢 会員の3割が60歳以上というのは、他に例がないでしょう。しかも、年代が上がるほど、プレイする回数も増える傾向にあります。高齢になると4人集めるのも大変なようですが、オンラインならすぐに対局者がみつかるのも大きいようです。 「麻雀=ギャンブル」のイメージ刷新を――麻雀はギャンブルの一つというイメージも根強くあります。
栢 それは承知しています。ただ、オンライン麻雀は相手が特定できないため、いわゆる賭け麻雀が成り立ちません。大会も定期的に開いていますが、賞品はたいした物ではありません。むしろプレイ代がかかるので、とうていモトはとれないでしょう。私は、麻雀を戦略と偶然性の入り交じった健全な「ゲーム」であると思っています。それを広く伝えたい。そのためにも、このサービスを広く社会に貢献できるものにしたいと考えています。 ――具体的に何かしているのですか。
栢 一日分の売り上げの半分を日本赤十字社に寄付したり、大きな地震の際に、売り上げの20%を義援金として被災地に贈ったりしています。今年6月には、麻雀の手役の一つ「平和(ピンフ)」1回につき10円を、日本ユニセフ協会に寄付する「平和募金マージャン」(読売新聞社協賛)を実施し、2週間で146万円が集まりました。チャリティーを通して社会に役立てて、会員の方に歓迎されています。私を含め、社員の仕事への意欲も大きく高まりました。IT企業というと、とかく「金もうけ最優先」と見られがちですが、会社の利益よりも、社員や社会の利益を優先するのが私のポリシーです。 ――今後の方針は。
栢 Maru−Janでは、「和の高級感」を目指しましたが、現在、同じようなコンセプトで同様にリアルなゲームを開発中です。シニア層が楽しみながら頭脳の活性化を図れるような、そんなサービスを送り出す予定です。(敬称略)(メディア戦略局 田中左千夫) (2009年10月27日 読売新聞)
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