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ウイルス対策ソフト、相次ぐ機能強化…ネット被害多発で

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さまざまなウイルス対策ソフトが並ぶ家電量販店の店頭(東京・千代田区の「ヨドバシカメラマルチメディアAkiba」で)

 インターネットを経由してパソコン内の個人情報などを盗むサイバー犯罪が急増し、コンピューターウイルス対策ソフトの開発メーカーが相次いで研究体制を強化している。しかし、欧米で携帯電話を狙ったケースも確認されるなど、新種のウイルスは後を絶たず、イタチごっこが続いている。(佐藤公寛)

 警察庁が2006年に全国で摘発した「サイバー犯罪」は、前年比40・0%増の4425件と過去最多だった。中でも、「フィッシング」といわれる手口や、「スパイウエア」など悪質なソフトを使ってIDやパスワードなどを盗んだ犯罪は05年の34件から417件に急増した。

 対策ソフトのメーカーはこうしたネット犯罪に対抗し、研究開発体制を強化している。

 国内大手のトレンドマイクロは、フィリピンの研究所で世界的に出回っているウイルスの解析作業を行っているが、5月から日本法人で独自に、国内企業が特に被害に遭いやすいウイルスを重点的に解析する。最新版の「ウイルスバスター2007」には、担当者がユーザーのパソコンを遠隔操作してウイルスを駆除する機能も盛り込んだ。

 米大手のシマンテックは、顧客企業のコンピューターに組み込んでウイルス攻撃を感知する「センサーソフト」の搭載数を、世界で4万台に倍増した。センサーが攻撃にさらされた特定のポート(コンピューターと外部との窓口)を検知すると、他の顧客企業に、同じポートを閉じるように警告を出し、企業ネットワークの被害を防ぐ。

 米大手マカフィーの日本法人は、ヤフーやグーグルなどの検索サイトを使って一覧表示された各サイトについて、利用者のパソコンにスパイウエアが送り込まれる危険性を、緑(安全)、黄(危険性あり)、赤(危険)のアイコンで示す機能を個人向けソフトに組み込んだ。

携帯も強化

 ウイルス被害は、携帯電話やPHS(簡易型携帯電話)にも広がりつつある。マカフィーによると、携帯とPHSを標的にしたウイルスの被害は、携帯電話に汎用(はんよう)の基本ソフト(OS)を使っている欧米で多く、感染すると、勝手に他の携帯電話と通信を始めたりするという。

 独自のOSが多かった国内の携帯電話も、最近は開発コストの削減で汎用OSを使うケースが増えており、ウイルス感染の危険性は高まっているとも言える。独立行政法人・情報処理推進機構は「国内の携帯は、通信事業者独自のソフトでしか動作しないので、現段階ではウイルス被害は出にくい」と話しているが、決済機能を持った携帯電話が増え、「将来的に金銭的な被害が出る懸念」(業界筋)もある。

 NTTドコモは、マカフィーの日本法人と共同開発した携帯用対策ソフトを「FOMA(フォーマ)901iシリーズ」から組み込むなどウイルス対策を進めており、他の携帯電話会社も本腰を入れる方針だ。ウイルスの「進化」は速いだけに、機動的で粘り強い取り組みが求められている。

2007年4月17日  読売新聞)
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