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中国で「偽NEC」 16品目、被害60億円契約解除後も堂々ロゴオーディオ製品は製造していないはずのNEC(東京都港区)のロゴ入りCDラジカセやDVDプレーヤーなどが、中国や台湾で大量に出回っている。 偽製品は確認できただけでも16品目・338型式に上り、NECでは被害は60億円以上になるとみて現地当局に通報するなどしているが、商標使用権を堂々と主張する現地業者も現れ、逆に裁判を起こされるなど、「コピービジネス」の横行に頭を抱えている。 NECが偽商品と認定しているのはDVDプレーヤー、CDラジカセ、携帯音楽プレーヤー、スピーカー、キーボード、書き込み可能CD(CD―R)など。NECは半導体やパソコンなどが主力で、これらの製品は扱っていないが、機器本体や包装などには本物と全く同じ形のロゴが使われている。 NECが、インターネット上の中国のサイトでNEC製と称するスピーカーが販売されているのを発見したのは2002年。 同社の通報で現地当局は05年4月〜06年7月に中国や台湾の業者18社を摘発し、約21万7500点を押収したが、その後もアジアを中心に大量の偽製品が横行。同社の現地法人には、「買ってすぐ壊れた」など偽物の商品についての苦情が05年12月以降だけで112件寄せられている。 NECによると、同社子会社が中国などの業者に、00年からCDプレーヤーを、02年から携帯音楽プレーヤーを作らせたが、03年に家電部門から撤退、全契約を打ち切った。ところが、取引のあった香港の業者が商標権の正当性を主張。中国や台湾の各地の製造業者からロイヤルティー(商標使用料)を受け取ってロゴ使用を認めたため、偽製品が大量に出回ったとみている。 ロイヤルティーの受領金額は判明分だけでも計432万米ドル(約5億1800万円)。NECでは偽物の売り上げは05年4月までの3年間で少なくとも5000万米ドル(約60億円)と推計しており、「今後も現地当局と協力して厳正な措置をとる」としている。 これに対し、香港の業者は「NEC製品を作る許可を得ていた」としてNECを相手取り、商標権確認を求める訴訟を起こした。東京地裁で今年3月に棄却され、現在は控訴中。代理人によると、業者側は「先に製品を作り、納入後にNEC製品として認証される約束だった」と主張しているが、NECでは「訴訟は偽製品を作り続けるための時間稼ぎではないか」とみている。 コピー被害4社に1社中国や台湾などはこれまでも、日本のブランドをコピーした商品が大量に出回る“コピー天国”とされてきた。今年1月には青森県の発行する認証シールの偽物を付けた中国産リンゴが出回ったほか、昨年7月には、米国で偽の日本製電池を内蔵した中国製懐中電灯で発火事故が起きたことがわかった。 国内で流通する偽物であれば、警察当局が商標法違反容疑で取り締まることが可能だが、今回のように国内への輸入が確認されていない場合は実態調査や摘発が進まないのが実情。特許庁によると、アンケートに回答した国内約3700社の4社に1社が模倣被害を訴えている。約半数は商標の被害で、地域別では中国が最も多いという。 (2008年6月6日 読売新聞)
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