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設立10年 米グーグル、曲がり角広告以外、有力収益源なしインターネット検索最大手米グーグルが7日、会社設立10年を迎えた。 創業者2人が学生時代に始めた検索システムは瞬く間に世界を席巻、2004年の上場からわずか4年で株式時価総額がトヨタ自動車に並ぶ巨大企業となった。IT(情報技術)産業の先導役となったグーグルだが、新世代企業の追い上げや世界的な景気減速のあおりで、成長神話にも影が差し始めている。(ニューヨーク 池松洋) 世界覇者「基本はグーグルだ。今どきインターネットで調べられるものといったら驚くほどだ」 米大統領選を争う共和党のジョン・マケイン候補は6月、選考中だった副大統領候補の人選にグーグルを活用していると、冗談交じりに語った。大統領候補の口から自然に出るほど、ネット世界におけるグーグルの存在感は大きい。 ネット利用の基本となる検索サイトのシェア(占有率)では約6割を握り、独走態勢だ。検索結果に連動する広告システム(検索連動型広告)による高収益を武器に事業拡大を続けている。人気を集める動画投稿サイトも世界最大。地図や電子メールなどのネット事業から新エネルギー研究など事業の多角化も急ピッチで進めている。 今月2日には、サイト閲覧ソフト(ブラウザー)「グーグル・クロム」の試験版の配布を始めた。グーグルが開発中の携帯電話用向け基本ソフト(OS)を搭載した携帯電話も年内に登場する見通しで、米マイクロソフト(MS)包囲体制を着々と築きつつある。 自由闊達5日のグーグルの株式時価総額は1396億9000万ドル(約15兆円)と、日本企業最大のトヨタ自動車(1398億6000万ドル)にほぼ並ぶ。IT関連産業ではMSを追い、米アップルと拮抗(きっこう)する存在ながら、グーグルの株式上場は04年8月と圧倒的に若い。 04〜07年の年間純利益の伸び率は10・5倍。MS(05〜08年)の44・2%増、ネット検索2位米ヤフー(04〜07年)の21・3%減を圧倒する。 グーグルは「典型的なシリコンバレー企業の文化・気風を色濃く残す」と言われる。インド系や中国系など20〜30歳代前半を中心とする世界中の若い人材が集まり、敷地内は学校のキャンパスのような雰囲気だ。 「悪事を働かなくても金もうけはできる」と唱え、開放的で自由闊達(かったつ)なイメージが優秀な人材を引きつけ、米国で「最も働いてみたい企業」のトップになっている。 株価下落しかし、世界的な景気後退で、ネット広告市場の減速懸念が広がり、株価は昨年秋のピーク時から4割以上も下落している。 事業の多角化にもかかわらず、検索連動型広告以外の有力な収益源はまだ生まれていない。社員数も約2万人に達し、組織の肥大化や大企業病もささやかれる。個人情報の取り扱いや市場独占に対する風圧も高まっている。 普及が急速に進んだSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で米フェースブックなど新世代ネット企業に押されるなど、苦しい分野も出てきた。 MSは1986年の上場後、独禁法訴訟や新興ネット企業の存在感が高まった90年代末ごろから株価の頭打ち傾向が鮮明になった。ヤフーは96年の上場後、4年足らずで起きたITバブル崩壊後の株価や業績の低迷に苦しんでいる。 格付け調査会社スタンダード&プアーズのアナリスト、スコット・ケスラー氏は「成功がもたらす明るい企業文化が優秀な人材を引きつけ、さらに発展するというグーグルの成長サイクルを維持することは難しくなっている」と指摘する。 (2008年9月8日 読売新聞)
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