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WiMAXと3Gどちらを選ぶ?

 外出先でインターネットを利用したいと考えています。近いうちにデータ通信サービスへの加入を考えていますが、既存サービス(3G)から選んだ方がいいのか、それども次世代サービスのWiMAXを待った方がいいのか教えて下さい。

今すぐ必要なら3Gのデータ通信サービスで決まり。7月まで待てる方で首都圏などの大都市圏の利用が中心なら、モバイルWiMAXを待とう

モバイルWiMAXの通信端末。USB接続タイプやPCカードタイプなど数種類が用意されている
モバイルWiMAXの利用イメージ。通信時には本体のアクセスランプが青く点灯する
専用の通信ソフトを利用して接続する。通信可能なエリア内にいれば、10秒程度でインターネットに接続できる
モバイルWiMAXの公式サイト。4月3日〜4月12日には、東京23区・川崎市・横浜市在住者限定で、USBタイプのデータ通信カード単体と、屋内用の無線LANルーターをセットにした「WiMAX Wi-Fiゲートウェイセット」のモニター募集を予定している

 5万円で購入できる低価格ミニノート(ネットブック)の人気が高まり、仕事だけでなくプライベートでも、カバンにパソコンを入れて持ち歩く方が増えてきました。パソコンを外出先で利用するとき、欠かせないものがインターネットの通信環境です。いつでも、どこからでもインターネットへと接続したい。そんな望みに答えてくれるのが、データ通信サービスです。現在は、第3世代携帯電話(3G)の通信網を活用したデータ通信サービスが、NTTドコモ、au、イーモバイルなど、多数のキャリアから提供されています。これら既存のデータ通信サービスのメリットは、サービス提供エリアの広さです。NTTドコモの「FOMA HIGH-SPEED」では、人口カバー率が100%となっています。地方に出かけたときでも、インターネットに接続できるのが魅力です。

 これまでデータ通信サービスといえば、この3Gサービスが主流でした。しかし、今年は次世代データ通信サービスといわれる「WiMAX」がスタートします。「WiMAX」とは、電波が遠くまで届く無線LANのようなもの。電波が届くサービスエリア内にいれば、電波を受信するデータ通信端末をパソコンにセットしたあと、専用の通信ソフトを起動するだけでインターネットに接続できます。その使い勝手は無線LANとほとんど同じです。ゆくゆくは、ノートパソコンに標準搭載されている無線LAN機能のように、WiMAX対応が進むことが予想されています。WiMAXサービスの提供エリアが広がれば、ADSLや光回線にも肩を並べられる、注目の通信サービスです。

 WiMAX元年となる今年。この春から、データ通信サービスに加入しようと考えている方は、既存の3Gサービスに加入した方がいいのか、それともモバイルWiMAXを待った方がいいのか、気になっていることでしょう。ここでは、3GとWiMAXを見極めるポイントを紹介したいと思います。

最大下り40Mbpsの高速データ通信サービスがスタート

 にわかに注目され始めている「WiMAX」。その先駆けとして登場したのが、UQコミュニケーションズの「モバイルWiMAX」です。2月26日から一部ユーザーにデータ通信端末を配布。無料サービスとして通信サービスの提供を開始しました。最大の特徴は通信速度です。既存の3Gデータ通信が下り最大7.2Mbpsなのに対し、モバイルWiMAXは約5倍の下り最大40Mbps。上りの通信速度でも3Gが最大1.4Mbps、モバイルWiMAXでは最大10Mbpsと、理論上の最大通信速度には大きな差があります。

 利用者にとっては一番気になる通信料金も、モバイルWiMAXに部があります。3Gサービスの代表格、イーモバイルの最安プランが月額4980円(新にねん契約時)なのに対し、モバイルWiMAXは月額4480円が上限額です。ただし、イーモバイルのように下限額1000円からの上限額設定ありの従量制ではありません。現在はUQコミュニケーションズが発表済みの、月額4480円の月額固定プランだけです。上限額ありの従量制がいいという方は、プロバイダー各社が提供するモバイルWiMAXサービスに注目して下さい。上限額は変わらないかもしれませんが、上限額ありの従量制プランを検討しているプロバイダーも出てくる見込みです。導入コストを下げたい方は、このプロバイダー提供のモバイルWiMAXサービスが本命です。

 通信速度や利用料金面で優れているモバイルWiMAX。しかし、新興サービス故の弱点もあります。それは利用できるエリアが狭いことです。現在利用できるのは、東京23区、神奈川県の川崎市と横浜市の一部のみ。提供エリアは今夏を目処に首都圏、名古屋、京都、大阪、神戸の中部・関西圏へと拡大。2009年度内には、政令指定都市と全国の主要都市へと広がるものの、既存の3Gサービス並みになるまでにはまだ時間がかかります。地方での利用が多い方は、3Gサービスを選んでおいた方が無難です。

実行通信速度はエリアや条件次第で上下する

 モバイルWiMAXに利用されている「IEEE802.16e」という無線通信規格は、直進性に優れています。そのため1つの基地局で1km以上の広域エリアをカバーできるようになりました。しかし、この電波特性は、ときに不安要素にも変わります。なぜなら、ビルに囲まれたような場所、室内でも窓から離れた場所では電波が届きづらくなるからです。弱い電波しか届かないような場所では、当然ながら通信速度は遅くなります。

 実際、都内でモバイルWiMAXの通信テストをしてみると、同じ地域でも見通しのきく広い場所で使った場合と、ビルの脇で使った場合で大きな差がみられます。具体的にみていくと、見通しのきく表通りのような場所では、下りが10Mbps以上、上りでも1Mbps台の好結果が得られました。しかし、一歩脇道へと入り、ビルの谷間のような場所で通信テストをしてみると、下りは1Mbps~2Mbps台、上りは100Kbps以下まで低下しました。今後、基地局が増えていけば電波状況が改善することも考えられますが、エリア内だからといって必ずしも高速だとは言い切れません。

 まとめると、今すぐデータ通信サービスを利用したいなら、既存の3Gサービスを導入。大都市圏での利用が中心ですぐに必要ない方は、7月まで待って「モバイルWiMAX」も選択肢として検討。ただし、加入する前には利用エリアや条件、さらにUQコミュニケーションズと直接契約するか、それともプロバイダー提供のモバイルWiMAXサービスを利用するか、見極めることが重要です。

 さらに今年後半まで待てる方は、通信速度を最大20Mbpsへと高速化した次世代PHSサービス、ウィルコムの「WILLCOM CORE XGP」も検討対象に加わります。WILLCOM CORE XGPサービスは4月から都内で限定サービスを開始予定。10月からの商用サービス化を目指しています。さらに来年、2010年末頃には既存の3Gサービスをさらに高速化したスーパー3G「LTE」がサービスを開始する予定です。

 次々に登場する次世代モバイル向けの通信サービス。どのサービスが生き残るのかは断言できません。一般ユーザーの方は、とりあえず既存の3Gサービスを使いながら、じっくりと次に加入する高速データ通信サービスを探すこと。これが後悔しない唯一の道といえそうです。(テクニカルライター・原 如宏)

 関連サイト
▼UQコミュニケーションズ http://www.uqwimax.jp/

2009年3月30日  読売新聞)
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