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PCの新形態「ウルトラブック」とは?

 ウルトラブックと呼ばれるノートパソコンが発表されましたが、従来のノートパソコンとは何が違うのでしょうか?

 ウルトラブックを一言でたとえるなら、低価格でスリムなモバイルノートPC。インテルが推進しているパソコンの新カテゴリーで、CPUに第2世代のCore iシリーズを搭載し、本体の厚さは2cm以下、価格も低く抑えるといった設定がされています。

東芝では、新たに「dynabook R631」シリーズを設け、ウルトラブックを11月中旬発売予定
薄くて軽いボディーがウルトラブックの特徴。dynabook R631/28Dは、厚さ1.59cm、重さは約1.12kgとなる
液晶ディスプレーは、1366×768ドットの13.3型ワイド。キーボードはバックライト機能を設けた
日本エイサーの「Aspire S3」シリーズ。こちらも11月中旬発売予定で、CPUなどが違う2モデルをラインアップする予定
天板にはアルミニウム合金、手を置くパームレスト部にはマグネシウム合金を使用する
液晶サイズは、こちらも13.3型ワイド。本体の厚さは1.75cm以下、重さも1.4kg以下になる予定だ

 「UltraBook(ウルトラブック)」と呼ばれる、新しいカテゴリーに分類されるノートパソコンが国内外のメーカーから登場しました。次々に登場しているパソコン新製品、2011年秋冬の中でも注目される存在となっています。

 どうして今、ウルトラブックと呼ばれる新形態のノートパソコンが登場したのか? 既存のノートパソコンとの違いは何か? 今後のノートパソコンに大きな影響を与えそうな、ウルトラブックについて紹介します。

ウルトラブックと呼ばれる条件は3つ

 ウルトラブックとは、半導体メーカーの米インテルが推進している、ノートパソコンの新コンセプトです。米インテルでは当初、ウルトラブックの条件として、次の3つを掲げました。まずCPUに第2世代のCore iシリーズを採用すること。2つめは本体の厚さを2cm以下にすること。そして、価格を1000米ドル以下に抑えることです。

 つまりウルトラブックとは、薄くて軽い本体と高い処理能力を持つCPUを持ち、価格もお手頃なノートパソコンというわけです。実際には、13.3型ワイドの液晶ディスプレーを搭載するウルトラブックは、本体の厚さを1.8cm以下にするといった、さらに細かい条件が設定されているそうです。

 この記事で、ウルトラブックという言葉を初めて見聞きしたという方も多いことでしょう。それもそのはず、今年5月に台湾の台北市で開催されたコンピュータ関連機器の見本市「COMPUTEX TAIPEI 2011」にて発表されたばかりの比較的新しいコンセプトなのです。

東芝と日本エイサーからいち早く登場

 では、国内で発売されるウルトラブックを見てみましょう。現在発表されているのは、東芝の「dynabook R631」と、日本エイサーの「Aspire S」シリーズ。どちらも11月中旬に発売される予定です。

 dynabook R631/28D(実売予想価格:15万円前後)は、13.3型ワイド(1366×768ドット)の液晶ディスプレーを搭載するノートパソコン。本体の天板やキーボード部にマグネシウム合金を使うことで、本体の厚さは0.83〜1.59cm、重さは約1.12kgと薄型軽量化しています。

 CPUは、消費電力が少ない超低電圧版のCore i5−2467M。あとから増設できない4GBのオンボードメモリーに、読み書きの速度が速い128GB SSDを組み合わせています。バッテリーも内蔵タイプで、9時間駆動。DVDなどを読み込む光学ドライブは搭載しません。

 このほかキーボード部には、キーの文字を見やすくする工夫としてバックライト機能を採用。不意なトラブルから防ぐ工夫として、防滴対応にしています(30ccの防滴テストをクリア)。

 一方、Aspire Sも13.3型ワイド液晶を採用するノートパソコンです。2つのモデルが計画され、上位の「Aspire S3−1(仮称)」は、CPUに超低電圧版のCore i7−2637M。メモリーは4GBで、240GBのSSDを搭載。同社では、天板にアルミニウム合金、パームレスト部はマグネシウム合金を使うことで、本体の厚さが1.31〜1.75cm。重さは1.4kg未満になると説明しています。

 また下位の「Aspire S3−2(仮称)」は、CPUが超低電圧版のCore i3−2367M、320GBのHDDに変わります。価格は上位機が15万円前後、下位機が9万円前後になる予定です。

3年後を見据えて進むウルトラブック革命

 米インテルは、なぜウルトラブックに力を入れているのか? 背景には普及し始めたタブレット端末や、クラウドサービスの影響があります。タブレットは7型や10.1型など、大きめの液晶ディスプレーを搭載し、ウェブやメールはもちろんのこと、話題のクラウドサービスとも連携を密にしています。

 また電源が常に入っているため、パソコンのように起動するまで待たず、すぐに使えます。またバッテリー駆動時間も長く、パソコンのようにAC電源を持ち歩く必要はほとんどありません。

 こうしたタブレット端末の良さを見習い、対抗機として打ち出したのがウルトラブックです。従来のスリープ機能などを改良して、パソコンを高速起動する仕組みを用意しています。また来年前半に登場予定の新CPU「Ivy Bridge」、さらに2013年に登場予定の「Haswell」へ移行する中で省電力化を図り、タブレット端末に対抗していく構えです。

 2011年秋冬モデルのウルトラブックは、1、2年後に向けた布石といえるでしょう。本格的に登場してくるのは、新CPUがリリースされる2012年前半になる見込みですが、いち早くウルトラブックの実力を知りたい方は、11月中旬発売される予定の製品を楽しみに待ってみてはいかがでしょうか。(テクニカルライター・原 如宏)


関連サイト
▼「dynabook R631」公式サイト(東芝)
http://dynabook.com/pc/catalog/dynabook/110929r631/

▼「Aspire S3」公式サイト(日本エイサー)
http://www.acer.co.jp/ac/ja/JP/content/s-series-home

2011年10月3日  読売新聞)
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