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中越沖地震:災害時の命綱となるケータイ![]() 災害掲示板の例(NTTドコモ・iモードの場合)。被災地の人は、携帯電話番号を入れて現在の状況などを100文字以内で書いておく。ケータイやパソコンからも見られるので離れた地域の親戚などとも連絡が取れるだろう。他社ケータイの場合は、各社の災害伝言板へのリンクが表示される
7月16日に起きた新潟県中越沖地震では、9人が死亡、1000以上の負傷者が確認されるなど、大きな被害が出ている。ライフラインにも大きな影響が出ているが、その中でケータイは使えたのか、災害時にはケータイをどう使えばいいのかレポートする。(テクニカルライター・三上洋) 意外に早かったケータイの復旧地震や台風など大きな災害が起きると、ケータイには安否問い合わせが殺到するため、つながりにくくなる。また災害の影響でケータイの基地局が止まることもある。 今回の中越沖地震での主要ケータイ会社の対応状況を表にまとめた(17日11時現在:各社の広報による)。 ![]() イラスト=成田明也
表を見てもわかる通り、今回の地震ではケータイの復旧がいち早く行われた。2004年の新潟県中越大震災では、がけ崩れの影響で、1か月以上もサービス中断したエリアがあったが、今回は翌日17日は大半のエリアで復旧している。理由はいくつかあるが、まず被災地が都市中心だったことが挙げられる。柏崎市で最も大きな被害が出ているが、都市部だったため基地局の復旧が素早くできたようだ。 もう1つは、各ケータイ会社が2004年の中越大震災の経験を生かしていることにある。例えばauでは、地震発生直後から仙台・名古屋・埼玉などから移動電源車を派遣。当日夜には現地に到着し、被災地の基地局を素早く稼動させている。au広報によれば「前回のノウハウがあったので素早く対応できた」とのこと。またNTTドコモは、17日には柏崎市でユーザー向けの充電サービスを始めるなど、被災地での対応も進んでいる。 「発信規制」と基地局ダウンの理由ケータイでは災害で通話が殺到すると、発信規制が行われる。電話をかけようとすると「つながりにくくなっています」というアナウンスが流れるものだ。安否問い合わせなどの電話が殺到すると、電話の交換機がパンクする可能性があるため、被災地などでの通話をあらかじめ規制する。 今回の場合では、ドコモとauが80%から90%前後の発信規制をかけたが、これは10回かけると1回か2回しかつながらない状態だと考えればいい。ただし何度もチャレンジすればいいものではなく、発信規制がかかったら時間を置いたほうがよい。何度もかければそれだけ規制の時間が長くなってしまうからだ。もし「つながりにくくなっています」というアナウンスが流れたら、各ケータイ会社が用意している災害掲示板(後述)を利用しよう。 大きな災害では、ケータイの基地局がダウンしてしまうことも多い。基地局ダウンの理由は「停電と電源ダウン」「伝送路の切断」「物理的破壊」などがある。今回の中越沖地震では「非常用電源を使い切ったためサービス中断(NTTドコモ)」「基地局と交換機をつなぐ有線の伝送路が切断された(ソフトバンク)」などの理由が目立った。 ケータイの基地局には、すべて非常用電源が付いており、数時間の停電ならそのまま動く。今回の中越沖地震でも、NTTドコモの基地局は地震直後でもすべて動いていた。しかし非常用電源はあくまでもバックアップ用なので、数時間で使い切ってしまう。そのため地震から数時間たって、基地局が動かなくなるという事態が起きた。 各社とも移動電源車や発電機などを用意しており、それらをいかに早く被災地に送り込むかが復旧の決め手となる。今回の地震の例では、auが素早く移動電源車を配備したため、翌日17日はほぼ全面復旧している。 このように災害時のケータイでは、「発信規制」と「基地局ダウン」という2つのトラブルがある。しかしながら有線の電話に比べると、ケータイは早く復旧する。有線の電話は、電話線が切断されると1軒1軒の工事が必要になるため、復旧には長時間かかる。それに対してケータイならば、基地局さえ復旧できれば全ユーザーが利用できる。災害時の命綱となるのは、有線電話ではなくケータイだと言えるだろう。 通話できなくても伝言板は使える場合も発信規制で通話ができなくても、iモードなどの文字を使った災害伝言板は使える場合が多い。ケータイ会社や機種によるものの、現在のケータイの大半は通話とパケット(メールやケータイサイト)が独立している。そのためアンテナマークが付いているのに通話ができない場合は、iモード、EZweb、Yahoo!ケータイなどのトップページに表示される「災害伝言板」を使えばよい。 災害伝言板は、相手の電話番号を入力すると、その人の安否情報を確認できるサービスだ。被災地にいる人は、自分のケータイから災害伝言板にアクセスし「無事です」などと100文字以内のコメントを書いておく。こうしておけば携帯番号を知っている人なら、誰でもその人の安否を確認できるわけだ。 この災害伝言板は各ケータイ会社が独自に運営しているものの、相互に利用できるためケータイ会社を問わずにアクセスできる。電話番号が他社ケータイのものだった場合は、他社ケータイの災害伝言板のリンクが表示されるので、ケータイ会社を意識せずに利用できる。大災害が起きると、各社とも足並みをそろえて災害伝言板をスタートさせるので、「災害時はケータイ伝言板を使え」と頭に入れておきたい。規制がかかる音声通話よりも、連絡が取れる可能性が高い。 災害に備える「ケータイ3つのノウハウ」あなたが災害にあった場合に、ケータイをどう使えばいいのかノウハウをまとめておこう。万が一に備えて3つのことを頭に入れておきたい。 ![]() イラスト=成田明也
1:被災地にいる人はケータイ災害伝言板へ安否登録 被災地にいる人は、状況が落ち着いたら災害伝言板に自分の安否を書いておく。各ケータイ会社のトップページ(iモード・EZweb・Yahoo!ケータイなど)からアクセスできる。安否を確認したい人は、パソコンやケータイから災害伝言板にアクセスし、相手の電話番号を入力して確かめる。ケータイ会社を問わず利用できる。 2:「圏外」ならケータイの電源を切る 基地局ダウンなどの理由で、ケータイが「圏外」になってしまった場合は、ケータイの電源を切ってしまったほうがよい。圏外の状態では、ケータイが基地局を探そうと何度も電波を出すため、電池が早く消耗してしまうからだ。電源オフにすると不安になるが、圏外のままで電池切れになってしまっては、その後の連絡が取れなくなってしまう。電池を長持ちさせるために、できるだけ電源を切り、必要な時だけ電源を入れるようにしたい。被災地同士にいる人の連絡も、できるだけ災害伝言板を使う。 3:コンビニが空いていれば非常用電池パックを入手 ケータイの電池が切れてしまったときのために、できればコンビニなどで販売されている非常用の電池パックを入手しておきたい。災害用の持ち出し袋に、非常食と合わせて非常用電池パックを常備しておくといいだろう。ただし非常用電池パックは数時間程度しか持たないのが一般的。何らかの方法で充電する方法を探そう。NTTドコモのFOMAであれば、メーカーを問わず同じ充電器を使えるので、他の人から借りてもいいだろう。 電話やインターネットよりも早く復旧するケータイは、災害時の重要なライフラインとなる。いざという時のために、ケータイを活用できるように準備しておきたいものだ。 (2007年7月17日 読売新聞)
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