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携帯やノートPCのバッテリーが膨張・発火![]() NTTドコモ・D902iで使われていた電池パック。中央部が膨張してしまっている(デジカメJapan提供)
携帯電話やノートパソコンで使われているリチウムイオン電池が問題となっている。製造ミスによる不良品で膨張・発火などの可能性があるためだ。すでに発火事故も起きているので、あなたのバッテリーが対象製品ではないか確かめておきたい。(テクニカルライター・三上洋) 携帯電話のバッテリーが膨張![]() 左が問題のない電池パックで、右が膨張した電池パック。このD902iの電池パックは、不良品が混じっているとして回収されている(デジカメJapan提供)
写真は膨張した携帯電話のバッテリーを比較したものだ。左は通常のもので、右が膨張してしまったバッテリーパック。写真だとわかりにくいが、手にとってみると驚くほど膨らんでおり、電池ケースのカバーを閉めるのにも苦労するほどだ。 この膨張したバッテリーは、2年ほど前に発売されていたNTTドコモ・D902i(三菱電機製)で使われていたもので、次のブログ、D902iのバッテリー膨張について(デジカメJapan)で詳しく紹介されている。 記事を書いたnecky氏(デジカメJapan)によると、「電池カバーがモッコリしてきたので、何かな?と思って開けてみたら驚くほど膨らんでいた。充電しながら通話したこと、充電時に液晶を常時点灯していたことが問題だったようだ」 とのこと。D902iのバッテリーパックは、一部不良品があるとしてNTTドコモが回収中だ。necky氏は自分で買い替えているが、現在は回収になっているためNTTドコモへ持ち込めば無料で交換してくれる。 このような事例はほかの携帯電話でも報告されており、NTTドコモではNM850iG、auでは簡単ケータイS A101K、ソフトバンクではボーダフォン時代の702NK・702NK!)U・804NK、ウィルコムのAH-J3003、これらの機種のバッテリーが回収の対象となっている。いずれも製品に不良品が混じっているため膨張したり、場合によっては破裂したりする恐れがある。 また一部の携帯電話では、電話機側の充電制御に問題があり、バッテリーが膨張する危険性がある(auのW41K、W41SAなど)。この場合は回収・交換の必要はなく、ネットワーク経由のソフトウェア更新(auでは「ケータイアップデート」)を行うことになる。 不良品では破裂や発火の事故が起きている![]() 動画共有サイト・Youtubeで話題になったノートパソコンのリチウムイオン電池発火の映像
ノートパソコンでは、すでに発火事故が起きている。2006年8月ごろから問題となったソニー製リチウムイオン電池によるもので、すでに3件の発火事故が確認されている。ノートパソコンのリチウムイオン電池では、ネットの動画共有サイト・Youtubeでノートパソコンが発火する映像が流れたことで大きな注目を集めた。 携帯電話では死亡事故も起きている。中国の東亜日報によれば、2007年7月に携帯電話の爆発により溶接工の男性が死亡。溶接中に携帯電話が爆発し、バッテリーの破片が心臓に突き刺さったことが原因ではないかと推定されている。中国ではこのほかにも何件か携帯電話のバッテリーが爆発する事故が起きており、純正ではない粗悪なリチウムイオン電池が原因だと思われる(※1)。 このように携帯電話やノートパソコンに使われているリチウムイオン電池では、膨張・発火などのトラブルがいくつも起きている。原因の一つとして挙げられるのが、リチウムイオン電池自体が膨張・発火しやすい素材を使っていることだ。 リチウムイオン電池は、以前に使われていたニッカド電池もよりもエネルギー密度が高く、小さなバッテリーで長時間利用できるのが特徴だ。しかし高性能であるがゆえに、電圧や熱に敏感な構造となっている。 例えば充電中のわずかな電圧の違いでも急激な電子分解が起こり、内部の圧力が高まってしまう。電池パックの膨張はこれが原因だ。また発熱も起きやすく、内部に発火しやすい有機溶剤を使っているため、最悪の場合は発火にいたる場合もある。加えて衝撃により内部がショートした場合、破裂や爆発が起きる可能性がある。 ただし現在流通しているリチウムイオン電池のほとんどは、これらの問題への対策が進んでおり、通常使っている分にはトラブルが起きる可能性は低い。事故につながっているのは、製造に問題があった場合と粗悪な不良品を使っている場合だ。 バッテリーの使い方に注意。回収かどうかも確認まずは、自分が使っている携帯電話・ノートパソコンのバッテリーに回収中かどうかを確かめよう。下の表を参考にしてほしい。また、業界団体である「携帯機器用リチウムイオン電池自主回収促進協議会」のサイトにも詳しく告知されている。協議会によれば不良品があったとして回収中のバッテリーでも、まだ回収できていないバッテリーが多数残っているそうだ。 バッテリーの回収率は、携帯電話で約71%、ノートパソコンで約50%に過ぎない。ノートパソコンの半数以上が回収されずに残っている計算になる。あなたの携帯電話、ノートパソコンのバッテリーが、回収対象になっていないかを至急確認しよう。対象製品である場合は、無料で問題のないバッテリーと交換してくれる。 次にバッテリーの使い方にも注意したい。リチウムイオン電池は熱や衝撃に弱く、充電のし過ぎも問題となる。安全に使うため、また電池を長持ちさせるために以下のことを守りたい。 ●熱のある場所で使わない ●純正品以外のバッテリー・充電器は使わない ●充電しながらの利用はできるだけ避ける ●衝撃を与えない なおNTTドコモでは、長期利用者のためにバッテリーの無料交換サービスを実施している。NTTドコモでは、無料のプレミアクラブ会員になれば、2年以上同一の携帯電話を継続している人に、電池パックを無料でプレゼント。 auでは月額315円の「安心サポート会員」になると、同一機種1年以上の利用で電池パック1個をプレゼントしている。同じケータイを使い続けている人は、無料交換できるかどうか自分のケータイの利用期間を計算してみよう。 ※1 この他に2007年11月末に「韓国で携帯電話バッテリー爆発により死亡?」という報道が流れたが、後の報道によればバッテリーが原因ではなく、工事現場の車両事故だった模様だ(朝鮮日報の記事による)。
(2007年12月3日 読売新聞)
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