ニュース 速報 YOMIURI ONLINE(読売新聞)
現在位置は
です

セキュリティー

サイバー護身術

本文です

どうする? 子供ケータイ有害サイト対策(1)

 新入学・新学期を迎えるこのシーズン、子供の携帯電話利用に頭を悩ませる親も多いだろう。携帯電話各社ではトラブルを防ぐための「フィルタリングサービス」を提供しているが、今年から未成年向けのフィルタリングが強化される。3回にわたり現状と課題をレポートする。(テクニカルライター・三上洋)

迷走する携帯フィルタリング問題

写真の拡大
有害な携帯サイトを制限するフィルタリングサービスについてのPRが行われている。2008年夏から、未成年者は原則全員加入となる予定だ

 フィルタリングサービスとは、有害なサイトを表示できなくする閲覧制限のこと。携帯電話各社がフィルタリングサービスを無料で提供しており、今まではユーザーからの申し込みで制限をかけるようになっていた。

 携帯での未成年向けフィルタリングについては、2007年末から様々な動きと論議が起きている。発端となったのは2007年12月に、増田寛也総務相が携帯電話各社の社長に「18歳未満の利用者はフィルタリングに原則加入としてほしい」と要望したこと。それまでもフィルタリングはあったが、あくまで加入者の希望によって加入するものだった。しかし総務相による要請は「全員原則加入」。携帯電話各社はこれに対応し、2008年1月にフィルタリングの強化策を発表した。

 各社とも2月以降は新規契約の未成年に対して、申し出がない限りフィルタリングに原則加入とした。また既存の未成年ユーザーに対しても、郵送などによって意思を確認し、申し出がない限り6〜8月(会社によって異なる)にフィルタリングの制限がかかる。

 ここで問題となったのがフィルタリングの方式だ。NTTドコモとauは、自社メニュー内にある安全な公式サイトだけを閲覧OKにする「ホワイトリスト方式」を適用する。ホワイトリスト方式では、小中学生に人気の「モバゲータウン」などの一般サイトを一切見られなくなってしまう。1兆円とも言われる携帯電話関連市場に大きな影響が出るため、業界関係者などから大きな反発の声が上がった。

 それを危惧したためか、2月になって今までとは逆に「総務省はフィルタリングによる過剰規制を問題視している」との報道があった。総務省の研究会「インターネット上の違法・有害情報への対応に関する検討会」でも、厳しすぎるフィルタリングに反対する意見が出ている。規制に対する揺れ戻しが来ている感じだ。

 未成年の携帯電話トラブルは防ぎたいが、過剰なフィルタリングによって携帯電話市場が崩壊するのも避けたい……。どちらがいいとも言いかねる問題で、フィルタリングについての論議は今も続いている。

携帯電話各社のフィルタリングへの対応

 NTTドコモ広報部は「トラブルに遭いやすいのは、ケータイデビューをする小中学生。そのため新規加入のお客様には、より安全な「キッズiモードフィルタ(ホワイトリスト方式)」をお勧めしている」とコメントしている。

 ただし、このフィルタリングを有効にすると、すべての一般サイトが見られなくなってしまう。例えば塾のサイト、クラスで作ったサイトなども見られなくなる。これについてNTTドコモ広報部では「指定したサイトを閲覧できるようにする機能についても社内で検討している」とのことだ。

 KDDI(au)広報部は、この件について「通信事業者がサイトの内容を有害かどうか判別していいのかという問題もある。またホワイトリストでの規制が過剰かどうか、ということ自体も通信事業者では判断しにくい」とのこと。親はどうしたいいのかという点については「この機会に親がネットの危険性を理解してほしい。例えば子供が使っているSNSに試しに加入してみるなどの方法がある。そのうえで自分の子供にフィルタリングが必要かどうか、判断していただくのが望ましい」とのことだ。

 ソフトバンクでは「ウェブ利用制限」というフィルタリングを、未成年者向けに原則加入させる。この「ウェブ利用制限」は、ドコモやauとは異なり、危険なサイトを排除する「ブラックリスト方式」を採用している。ブラックリスト方式なら一般サイトで問題のないものなら閲覧できるため、塾のサイトなども表示できる。子供の立場からすると、こちらのほうが使いやすいだろう。

この機会に携帯電話の使い方を話し合いたい

 いずれにせよ、親は6月から8月にかけて「フィルタリングをかけるか、かけないか」という判断を迫られることになる。「フィルタリングをかけない」という申し出がない限り、18歳未満の携帯電話にはすべてフィルタリングがかかるわけだ。

 18歳未満の子供がいる親はどうすればいいのだろうか? 一律にフィルタリングをかけてしまうのは簡単だが、それでは子供の携帯電話利用を大きく阻むことになる。ドコモやauのホワイトリスト方式では、子供が見たいサイトのほぼすべてがシャットアウトされてしまうからだ。

 筆者がお勧めしたいのは、この機会に携帯電話の使い方について子供とじっくり話し合うこと。親は子供がどんなサイトを見ているのか全然知らないから「どんなサイトがあるの?何が面白いの?」と、子供に教えてもらうことから始めてはどうだろうか。子供が見たいサイト、楽しんでいるサイトを知ることはとても大切だ。

 そのうえで、詐欺の危険性、携帯電話で知り合った人と会うことへの危険性を教えれば、子供も耳を傾けてくれるだろう。危険性についてのマニュアルは、下記のサイトで見られる。子供と話し合う前に目を通しておき、印刷して子供と一緒に見よう。もし子供が危険性をちゃんと理解できるようなら、ホワイトリスト方式のフィルタリングはいらない。フィルタリングなしにするか、ブラックリスト方式のフィルタリングにすればいいだろう。

※参考サイト:e-ネットキャラバン http://www.fmmc.or.jp/e-netcaravan/ ここの「e−ネット安心講座基本テキスト」が参考になる。

2008年2月22日  読売新聞)
現在位置は
です