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どうする?子供の有害サイト対策(番外編)−−「ケータイチルドレン」の実像は?

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2008年3月発売の新書「ケータイチルドレン 子どもたちはなぜ携帯電話に没頭するのか?」(ソフトバンク新書 730円税別)

 四六時中ケータイに向かう子供たち。子供はなぜケータイに没頭するのか分析した「ケータイチルドレン」という新書が発売される。著者のケータイジャーナリスト・石野純也氏にインタビューした。(テクニカルライター・三上洋)

「ケータイチルドレン」とは?

 3回に渡って子供の有害サイト対策をとりあげてきたが、最後に番外編として子供のケータイ利用の実態と、子供を守るためのアドバイスを、ケータイジャーナリストの石野純也氏に伺った。石野氏は最新著書「ケータイチルドレン(ソフトバンク新書)」で、高校生などにナマの声を聞いている。

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「ケータイチルドレン」の著者でケータイジャーナリストの石野純也氏。雑誌「ケータイBEST」やウェブ媒体で活躍するほか、「モバゲータウンがすごい理由」「勝手サイト」などの著書がある
――「ケータイチルドレン」とは何ですか?

 石野氏「四六時中とケータイに没頭している子供たちのことです。内閣府の調査では、高校生女子のケータイ利用時間が1日に2時間というデータがありますが、私が調べた実感ではもっと長いですね。メールにサイト、音楽にゲームと、子供の生活はケータイを中心に回っています。あまりに身近すぎて、1日に何時間使っているかもわからないぐらいでしょう。」

――ケータイに熱中しすぎることが問題では?

 「熱中ではないんです。ケータイはパソコンとは違って、常に画面に向き合うものではありません。友達と連絡を取りたい、何かを調べたいといった時に使うツールの一つ。四六時中使っていますが、ケータイ自体に熱中しているわけではありません。彼らはデジタル機器をシーンに合わせて有効に活用しています。勉強のために調べるのはパソコン、音楽を楽しむなら携帯音楽プレーヤー、そして連絡はケータイメール。現在の中高校生は、デジタル機器を使いこなす能力を大人以上に持っています。」

「学校裏サイト」に対する大人の誤解

――「学校裏サイト」が問題視されていますが、どう思いますか?

 「『学校裏サイト』と言うと、おどろおどろしいイメージがあります。常に子供たちが匿名でイジメをしているようなネーミングですが、実態はそうではないんです。実際に見ればわかりますが、子供たちが自主的に作った掲示板に過ぎません。書いてあることはクラスの自由ノートのようなもので『運動会で勝つぞ』とか『○○君、カッコイイねー』など、ごく日常の会話です。ただし時々エスカレートしてケンカやイジメに発展することもあります。」

――誹謗中傷から深刻なイジメになることもありますね

 「きっかけは冗談半分に書いた『あいつはキモイ』なんて書き込みで、それがエスカレートし誹謗中傷になってしまう。ただしこれは子供だけに起きる問題ではありません。大人の世界でもブログの記事から祭り(バッシング)が起きたり、2ちゃんねるでも誹謗中傷が書かれています。大人のネットの世界で起きていることが、ケータイでも起きていることになります。」

――子供のケータイ利用で問題になることは?

 「ケータイを使いこなすことについては、大人より子供のほうが上手です。ですからツールとしてのケータイは問題ではありません。イジメが起きる大きな原因は、子供のコミュニケーションのスキルが低いこと。デジタル機器を使いこなす能力はあっても、コミュニケーション能力が低いことがトラブルの原因になるのです。ケータイの使い方をウンヌンする前に、人間同士の付き合い方やマナーを覚えさせることが重要でしょう。」

掲示板・SNSなどでの危険性

――子供に人気のサイト『モバゲータウン』での事件はどうでしょうか?

 「ケータイサイトがらみの事件が起きると大きく報道されますが、実態はそれほどひどいとは思えません。私は逆に『よくここまで抑えているなあ』と感心するほどです。モバゲーを例に取ると800万人のユーザーがいるわけですから、そりゃ中には悪質な人間もいるわけです。犯罪に発展することはあるでしょうが、モバゲーやミクシーといったサイトはあくまでシステムに過ぎません。事件が起きるのはリアルな世界でのこと。モバゲーやミクシーがすべて悪い、と考えるのは責任転嫁に過ぎません。」

――悪質な人間からの誘いがあるのでは?

 「その辺は使い慣れている子供のほうが賢い逃げ方を知っています。女子高校生に話を聞いたのですが『プロフィールに年齢を書くと変なメールが来るから書かない』『キモいメールを送ってくるヤツは速攻ブラックリスト』など、トラブルに巻き込まれない術をマスターしています。初めて使う子供には、そういったノウハウを周知すればいいと思います。総務省が有害サイトやケータイトラブル対策のキャンペーンを行っていますが、あれもモバゲーの中でやるべきです。」

「アクセス利用履歴」と「親子の対話」が決め手

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NTTドコモの「iモードアクセス履歴検索サービス」。サイトの利用履歴をチェックできるので、子供への抑止効果として有効だ
――親はどんな対策を取ればいいのでしょうか?

 「まずはケータイを使ってみることですね。モバゲーに入ってみる、ミクシーをケータイで使う、そしてケータイ小説を読んでみる。子供が楽しんでいるサイトはどんなものか、子供に教えてもらいながら試してみるべきでしょう。もう一つ、サイトの利用履歴をチェックするという方法があります。NTTドコモだけですが、ケータイで見たサイトの一覧を『iモードアクセス履歴』として見ることができます。これを見れば、子供がどんなサイトを使っているかわかるのです。大量なデータなので全部をチェックすることは不可能でしょうが、履歴を見るということが子供への歯止めになるでしょう。」

――親から監視されていると子供に反発されそうですが‥

 「『iモードアクセス履歴』を見ようとすると、子供のケータイにも通知されます(ワンタイムパスワード)。そのため内緒で履歴をチェックすることはできませんが、これ自体が親子のコミュニケーションのきっかけになります。『トラブルに遭わないように履歴を見るからね』と言って、月に1度ケータイのことを話し合う日を作ればいいんです。『履歴を見るのはトラブルが怖いからだよ』と、ケータイでのトラブル例を話し合うことができます。アクセス利用履歴は子供への抑止効果だけでなく、親子の対話のきっかけとしても有効です。他のケータイ会社も、ぜひこのサービスを始めて欲しいですね。」

2008年3月14日  読売新聞)
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