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携帯有害サイトフィルタリングは秋以降へ携帯電話の有害サイトフィリタリング機能の義務付けが一時延期となっている。今年の夏には各社が未成年者向けに義務付ける予定だったが、総務省が過剰規制に待ったをかけたからだ。親にとって心配な有害サイトへの対策はどうなるのだろうか。(テクニカルライター・三上洋) 総務省が過剰規制に「待った」この連載では「どうする?子供の有害サイト対策」として、4回にわたり携帯電話のフィルタリング問題を取り上げた。今年の夏には各社が未成年向けのフィルタリングを義務付けるはずだったが、4月末から情勢が変わってきた。 きっかけとなったのは、総務省の「インターネット上の違法・有害情報への対応に関する検討会」の中間とりまとめだ。この検討会では携帯電話の有害サイト対策も話し合われてきたが、一律のフィルタリングでは有害ではないサイトも遮断されてしまうとの意見が出されていた。子供に人気のゲーム&コミュニティーサイト「モバゲータウン」を始め、企業サイトすらもシャットアウトされてしまう。そこで4月25日に出された中間とりまとめでは、以下のように改善するべきだとしている。 ・現状モデルではフィルタリングが画一的で、アクセスしたい情報の範囲が選択できない この中間とりまとめをふまえて、総務省は各携帯電話会社にフィリタリングの内容を改善するようにとの要請を出した。要請の内容をおおまかにまとめると、 ・未成年にふさわしくないサイトを遮断する「ブラックリスト方式」を標準に といった内容だ。NTTドコモとauは自社の公式サイトで未成年にふさわしいものだけを通す「ホワイトリスト方式」を標準にする予定だったから、一気にひっくり返された形だ。そのため携帯電話各社は、未成年向けのフィリタリング義務付けを遅らせると発表している(4月28日)。 フィルタリング標準化は秋以降へ?各社は総務省の要請に応じて、今後のフィリタリングの方法を詰めている段階だ。 NTTドコモに聞いたところ「総務省の要請に従って準備を進めているが、第三者機関がどのような形で基準を出すのか、またそれを弊社がどう取り込むのかなどの課題がいくつもある。システムの大幅変更も考えられるため、導入時期は未定」とのこと。第三者機関が発足したばかりということもあり、まだ暗中模索といってもいい状態のようだ。カスタマイズ機能については「特定のサイトやカテゴリを親の承認を得てフィルターから外す機能は準備中で、今年度中に導入したいと考えている」とコメントしている。 KDDI(au)でもほぼ同様で「第三者機関とフィルタリングの関わりが具体的に見えてないことなどもあって、いつスタートできるか明確には言えない。またカスタマイズ機能についても検討している段階。ただし有害サイト対策が大きな問題であることは認識しているので早急に取り組みたい」とのことだった。 このように携帯電話会社のフィルタリング義務付けは、いつスタートするかわからない状態だ。ポイントとなるのは第三者機関の動きだ。現時点で第三者機関として名乗りを上げているのは、EMA・モバイルコンテンツ審査・運用監視機構と、I-ROI・インターネット・コンテンツ審査監視機構の2団体。いずれも発足したばかりで、具体的な審査やカテゴリ基準策定はこれからになる。第三者機関、携帯電話会社、そして実際のフィルタリングデータを提供しているフィルタリング会社(携帯電話ではネットスター社)が協議してからの話なので、フィルタリング義務付けはかなり先に伸びそうだ。 これについて「ケータイチルドレン」の著者でケータイ・ジャーリストの石野純也氏は「第三者機関のEMAでは基準作りに着手しており、6月には基準ができるのではないか。企業サイトの審査は早く進むだろう。しかしモバゲータウンなどのコミュニティーサイトでは、運営管理体制なども審査されるので時間がかかる。これらを踏まえフィルタリング導入義務付けがスタートするのは、秋以降、遅れた場合は今年度いっぱいにズレ込む可能性もある」とコメントしている。 現在のフィルタリングでは問題ありただしフィルタリングサービス自体は、各携帯電話会社ともすでに提供している。「どうする?子供の有害サイト対策(3)−−親が選ぶべきフィルタリングは?」で取り上げたようにブラックリスト方式とホワイトリスト方式があり、保護者が選ぶ形になっている。携帯電話会社のサービス窓口で無料で申し込めるので、心配な親御さんは検討するといいだろう。 ただ現在のフィルタリング方式では、本当に子供が見たいサイトを表示できなくなるという問題がある。ブラックリスト方式ではモバゲータウンなどのコミュニティーサイトは一切ダメだし、さらに厳しいホワイトリスト方式になると企業サイトや塾のサイトもアウト。塾の一部では時間割などをケータイで表示しているところもあるので、子供の生活にも支障が出るかもしれない。 筆者の個人的意見にはなるが、子供がケータイを活用することを認めるのなら現在のフィルタリングは導入すべきではないだろう。カスタマイズ機能によって保護者が取捨選択できるサービスが始まるまでは、フィルタリングなしにしておくのがいいのではないだろうか。もしくは「どうする?子供の有害サイト対策(3)−−親が選ぶべきフィルタリングは?」でとりあげたように、子供の危険に対する理解度に合わせて段階的にフィリタリングを緩めることを勧めたい。 (2008年5月23日 読売新聞)
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