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マルチ商法記述を衆議院から削除?インターネットの百科事典「ウィキペディア」の内容を、衆議院のIPアドレス利用者が変更したことがわかった。マルチ商法と国会議員のつながりに関する記述が、衆議院関係者により消された可能性が出てきた。(テクニカルライター・三上洋) 「健全なネットワークビジネスを育てる議員連盟」の記述を丸ごと消去業務停止命令を受けたマルチ商法業者から講演料などを受け取ったとして、前田雄吉衆院議員(比例代表東海ブロック)が民主党を離党した。 この問題に関連して、インターネット上の百科事典「ウィキペディア(Wikipedia)」の記述変更が問題になっている。ウィキペディアは誰でも記述・編集できる百科事典だが、10月10日に「健全なネットワークビジネスを育てる議員連盟」に関する記述がごっそり消された。この消去を行ったのは「210.136.96.22」というIPアドレスで、衆議院に割り当てられたIPアドレス(インターネット上の住所にあたるもの)である。 つまり衆議院議員関係者と思われる人物が、「健全なネットワークビジネスを育てる議員連盟」の記述を消したことになる。同じ10月10日には、衆議院のIPアドレスから一部国会議員のプロフィルも変更されており、「健全なネットワークビジネスを育てる議員連盟」に加入していることを消す変更もあった。 衆議院のIPアドレスからのウィキペディア変更点(10月10日)ウィキペディアの編集履歴を基に、衆議院からのマルチ商法に関連する変更点をまとめてみる。ウィキペディアでは変更点がすべて履歴として保存されているので、どのような変更をしたかがわかる。変更の履歴がわかるよう該当のウィキペディア画面URLへリンクを張ったので参照してもらいたい。 ●07:51 ●07:52 ●07:53と07:54 ●07:55 ●07:55 ●07:56と07:57(上画面参照) 知識のない人による急ぎの変更かこの変更点には、3つのポイントがある。1つはインターネットに関する知識がない人による変更ではないか、ということ。衆議院のIPアドレスを丸出しにしてウィキペディアの記述を変更しているわけで、ネットに関する知識がないと想像できる。 次はウィキペディアの編集に慣れていない、ということだ。たとえば最後の白紙化は、本文をすべて削除するという無謀な編集方法だ。ウィキペディアでの削除は、一般的には削除依頼を出して、参加者が議論して決めることになっている。一ユーザーが勝手に削除することはできない。衆議院のIPアドレスからの利用者は、それを知らずに本文だけを削除して白紙にしている。ウィキペディアに関する知識はあまりなさそうだ。 もう1つは、国会議員に関する項目だけでなく、業界団体である「ネットワークビジネス推進連盟」の記述も変更していることだ。「ネットワークビジネス推進連盟」の記述から、議員連盟の名前を削除したのは、関係を知られたくないと考えた議員関係者のものではないか、という疑惑が残る。 ただしこの変更が、前田雄吉衆院議員や藤井裕久衆院議員の関係者によるものだとは断定できない。あくまで衆議院のIPアドレスから変更があったというだけで、誰が変更したのかはわからないからだ。誰が変更したかは、衆議院のサーバー管理者がログを調べない限りわからないだろう。 IPアドレスで組織名がわかることもあるこの衆議院のIPアドレスを使ったユーザーが、国会議員とマルチ商法ビジネスのつながりがわかる記述を消そうとしたことは明らかだ。なおネットワークビジネスの業界団体である「ネットワークビジネス推進連盟」のウェブサイトでも同様の削除が行われている。以前は「議員連盟紹介」として、前田雄吉衆院議員などの名前が掲載されていたが、現在では議員連盟のページはなくなっている。 ウィキペディアの書き換えについては、以前も厚生労働省などが自分に有利なように書き換えたことがあって問題となった。以前の記事「会社でのネットサーフィンは危険!」で詳しく取り上げたが、インターネット上の住所にあたるIPアドレスからは、所属している会社名・団体名などがわかることがある。今回の事件も、IPアドレスから衆議院であることがわかって問題となっている。 (2008年10月16日 読売新聞)
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