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オークション詐欺の“サイン”とは巧妙なオークション詐欺が増えてきた。突然オークションIDを削除して消えるなどの悪質な手口を使う。手口を知ったうえで、詐欺のサインを確かめるクセをつけたい。(テクニカルライター・三上洋) 巧妙化するオークション詐欺の手口警察庁によれば、平成20年上半期のインターネット・オークション利用詐欺の検挙件数は379件。検挙されたものだけで379件だから、実際にはもっと多くの被害があるだろう。以前より減ってはいるものの、いまだにオークション詐欺が蔓延している。 ![]() Yahoo!オークションのトラブル対策をまとめた「ヤフオク護身術」。怪しい出品者の見分け方も紹介されているので、落札前に目を通しておきたい
オークション詐欺が社会的問題になってから数年たったこともあって、運営サイト側の詐欺対策は進んできた。本人確認の厳重化、送金制度の改善、サイトを通じた連絡システムなどにより、単純なオークション詐欺は減りつつある。 ただしそれでもオークション詐欺は根絶できていない。逆に犯人が対策をかいくぐるような巧妙な手口を使い始めたため、詐欺のサインを見抜くことが難しくなっている。詐欺かどうか見抜くには、手口を知っておくことが大切だ。ここではオークションでよく見られる5つの詐欺パターンをまとめたうえで、詐欺のサインを見抜く方法をまとめよう。 増え続ける「乗っ取り」の被害1:ID乗っ取り・ID突然削除 最近目立つのが、このID乗っ取り、ID突然削除のパターンだ。出品者の評価は健全で信頼できると思えるのに、入金すると急に出品者のIDが急に削除されたり、連絡できなくなったりする。コンサートチケットや高額な電気製品など、換金しやすいジャンルで目立つ詐欺だ。 この詐欺の多くは、オークションIDの乗っ取りが原因ではないかと推測される。前回の記事「「重要なお知らせ」のヤフー偽サイト」で取り上げた、フィッシング詐欺を悪用したものだろう。フィッシング詐欺によって他人のオークションID・パスワードを盗み取り、犯人が本来の持ち主になりすましてオークションに出品するものだ。犯人にとっては、本来の持ち主の評価があるため、落札者の信用を得やすいというメリットがある。 この詐欺は見抜くのが難しいが、文章や出品物から怪しいとわかる場合もある。例えば以前の出品とまったくジャンルが異なる、文章や画像の見せ方が異なる、などのサインだ。また「急に大量出品していないか」というポイントも重要だ。ID乗っ取り詐欺の場合、まとめて大量に出品して金を稼いだうえで、突然消えてしまう場合が多い。換金しやすい商品を、まとめて出品していたら怪しいと考えよう。また住所・氏名・電話番号を聞いて、連絡が本当に取れるのか、住所は実在するのか確かめることも重要だ。 2:次点・繰上げ詐欺 以前からある詐欺だが、今も被害が目立つのが次点・繰上げ詐欺だ(参考記事:「ネットオークションの「委託詐欺」にご注意」)。オークション終了後に、出品者と称する人物から「落札者がキャンセルしたのであなたに権利が移った」「同じ商品が複数あるので値引きするから買ってくれ」などのメールが届くものだ。 この詐欺の多くは、犯人が出品者になりすましてメールを送っているもの。落札者のメールアドレスはオークションIDから推測できるため、誰でもメールを送ることができる。よくある手口は「安くするので急いで入金してほしい」「海外出張中なので連絡がとれない」などと言って急いで入金させるものだ。数年前から問題になっているが、最近は「安くするから」というパターンが多いようだ。 次点・繰上げ詐欺への対策は簡単で、メールによる直接連絡は信用しない、ということ。Yahoo!オークションの場合で言えば、サイト上で連絡が取れる「取引ナビ」を使おう。「取引ナビが使えない」などという出品者は信用してはいけない。また入金を急がせる出品者も怪しいと考えよう。 換金目的や偽ブランドにも要注意3:自転車操業詐欺・換金目的 いわゆる「チャリンカー」と呼ばれる出品者によるもの。借金に困って自転車操業をする人をもじって「チャリンカー」「自転車操業詐欺」などと呼ばれている。犯人は高額な商品を大量に出品し、現金をその場で手に入れるのが目的だが、資金繰りがつかなくなると夜逃げ同然で逃げてしまうパターンが多い。 この自転車操業詐欺は、数年前に流行したもので、オークションサイト側が監視を厳しくしたために減ってはきている。しかしデジタルカメラや液晶テレビなどの高額商品があるジャンルでは、今でも「チャリンカー」の疑いのある出品者がいるので注意が必要だ。自転車操業詐欺の困った点は、最初はちゃんと商品を送ってくること。資金繰りにつまるまでは通常のオークション取引をするためやっかいだ。 「チャリンカー」の特徴は、高額な商品を大量に出品している、新品なのに市場価格より大幅に安い、商品を送るまでに2〜3週間以上かかる、などがある。この特徴があったら怪しいとにらんで取引は避けたほうがいいだろう。話題になっている商品、売り切れの人気商品などに多いので、十分注意したい。 4:偽商品・偽ブランド 詐欺とまではいえないまでも、偽商品や偽ブランド品を売っている出品者もいる。画像はきれいなのに実際はキズだらけだった、サイズが違っていた、ブランド品と称していたが偽モノだったなどの例がある。 この手の出品者は、犯罪だと思わずに出品している場合が多く、取引後にトラブルになりやすい。当たり前のことだが、評価をチェックすることが大切だ。評価でトラブルが目立つようなら、取引は避けたほうがいいだろう。 5:情報商材 「誰でも簡単に儲ける方法」「携帯電話をタダで使う方法」といった、怪しい情報を売りつける出品者もいる。いわゆる「情報商材」と呼ばれるもので、「大儲けできる」「簡単に稼ぐことができる」「得をする」といったネタを集めて数千円程度で販売している。これは詐欺とは言えないだろうが、限りなくグレーに近い怪しいものだといえるだろう。 というのは、情報のほとんどは、雑誌に以前掲載されたものやネットで検索すればわかるものが多いため。また以前に使えた裏ワザや、犯罪まがいのテクニックを紹介するものが多い。「儲かる」「誰でも簡単」「○○の裏ワザ」というキーワードがあったら、怪しいものだと思っていい。 オークション詐欺は巧妙になってきているものの、怪しいサインは必ずどこかにある。詐欺にひっかからないように、犯人の手口を頭に入れておきたい。 (2009年2月20日 読売新聞)
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